南風原@東大教育心理です。
> 芳賀@由芽子嬢の同僚です。
> >>南風原@東大教育心理です。
> >>
> >>Yumeko HAYASHI <yumeko (at) rtri.or.jp> さんからの [fpr65] sample
> >>number に,次のような人数のデータがありました。
> >>
> >> fpr65> 被験者 | 若年群 | 高年群 | 合計
> >> fpr65> --------------------------------
> >> fpr65> 一般群 | 20 | 99 | 119
> >> fpr65> --------------------------------
> >> fpr65> 特殊群 | 83 | 70 | 153
> >> fpr65> --------------------------------
> >> fpr65> 合計 | 103 | 169 | 272 (人)
> >>
> >>私は,こういう人数不揃いのデータでも,分布の比較が必ずしも「
> >>ナンセンス」ではないと思います。
> >>
> >>たとえば,若年群に注目して,その中で一般群と特殊群の平均を比
> >>較する場合です。人数は20人と83人というように不揃いですが,
> >>そのことが分布の比較を系統的に歪めるということはないはずです。
> >>これは,一般群に注目してその中で若年群と高年群を比較する場合
> >>も同様です。(つまり単純効果をみる場合ということです。)
上記のコメントのポイントは,実験計画の用語で言えば,「1要因計画の場合
は,その要因の各水準ごとの被験者数が不揃いでも,水準間の比較を歪めるこ
とはない」ということです。ですから,
> 由芽子氏が質問した研究は違うのですが,運転適性検査
(この間,行が抜けていませんか?(南風原))
>者というような比較を行います。このとき,母集団の人数
>比にはこだわらずに,事故群と同数の無事故群をサンプリ
>ングして使ったりします。こういうのは反則なんですか? :-)
については,「事故経験」という1要因の計画であれば,「(被験者数に関し
ては)特に問題はない」ということになると思います。同様に,
> 大村政夫先生の「血液型と性格」の中に,サンプルが日
> 本人の血液型分布に合ってないといって俗説を批判してお
> られる箇所がいくつかあります。AB型のデータが多すぎる
> とか。しかし,各血液型のサンプル数が同数であっても,
> それぞれランダムサンプリングしてあって,representative
> な標本ならかまわないと思うのですがいかがでしょうか。
についても,「血液型」という1要因の計画で,たとえば,異なる血液型の間
で特定の属性を有する被験者の割合を比較するというような問題なら,サンプ
ルにおける血液型分布が日本人全体の血液型分布と合ってなくても特に問題は
ないと思います。
> でも,N=1対100のサンプルで比較するのもなんだかなぁ
> と感じるのですが。(言葉使いが幼稚ですいません^^;)
たとえば,50人と5000人の比較をするとき,前者の被験者数を100倍
して同じ数にすることができれば,(他の条件が一定なら)より良い比較がで
きるはずですが,逆に後者を1/100倍して同じ数にするのは単に情報のロス
ということになるでしょう。
「N=1対100のサンプルで比較するのもなんだかなぁ」という感じはどこから出
てくるのか,というのも面白い問題だと思いますが。
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南風原朝和 (はえばら ともかず)
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