南風原@東大教育心理です。 林由芽子さん@鉄道総研の [fpr 81] sample number について一言付け加えさせ てください。 >> 被験者 | 若年群 | 高年群 | 合計 >> -------------------------------- >> 一般群 | 20 | 99 | 119 >> -------------------------------- >> 特殊群 | 83 | 70 | 153 >> -------------------------------- >> 合計 | 103 | 169 | 272 (人) という人数構成のデータについて, >> つまり、被験者数の問題があろうと、分散分析の前提となる諸仮説(例 >> :等分散性)が支持されていれば、問題はないと思います。 とまとめておられますが,私が [fpr 78] で申し上げたこと > 「1要因計画の場合は,その要因の各水準ごとの被験者数が不揃いでも, > 水準間の比較を歪めることはない」 は,分散分析による検定以前の問題として,平均値を比較すること自体の有意 味性を問題にしたものです。 この観点からすれば,上記の2要因計画のデータについて,たとえば一般群と 特殊群の平均値を比較することには問題が残ります。なぜなら,一般群のほと んどが高年群であるのに対し,特殊群では若年群が過半数を占めているため, その人数比のアンバランスが平均値の比較に系統的な偏りをもたらす可能性が あるからです。 こうした比較の有意味性の問題は,「等分散性」などの前提条件の適否とは全 く別の問題なのです。 なお,(前に文字化けさせてご迷惑をおかけした)タイプ2とかタイプ3とか の平方和は,上記のようなアンバランス・データにおける「比較の有意味性」 の問題に統計的に対処する工夫であると同時に,検定のための道具立てを提供 するものでもあります。 ==================== 南風原朝和 (はえばら ともかず) tomokazu (at) tansei.cc.u-tokyo.ac.jp 〒113 文京区本郷7-3-1 東京大学教育学部 TEL: 03-5802-3350 FAX 03-3813-8807 ====================
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