[fpr 107] 3mode*3way data

谷口高士

谷口@大院大です。学会後、みなさんひと休みのようですね(^^)

"[fpr 106] Re: 3mode*3way data" で
 toyoda (at) rikkyo.ac.jp さん [1995/11/08 10:42:06]:

>豊田@立教社会です

お返事ありがとうございます。

>  貴重な情報をありがとうございます(是非読んでみようとおもいますが
>いつ出版されるのでしょうか?)多相多元データは心理教育の研究分野には

まもなく出る、と言われ続けてはや半年・・・です。

>  3相3元データをそのまま扱うのには,共分散構造分析のソフトを利用す
>るのが,手軽で強力です.
>A)タッカーモデルやパラフアック等のモデルをほとんどそのまま表現できる.
>B)上記(1)に関しては,多母集団比較を行って細かいモデル構成ができる
>C)上記(3)に関しては多方法多特性法やパネルデータの分析のような
>    データの性質に即したモデル構成ができる.
>D)SASかSPSSがあれば実行できる
>というのが,その理由です.

ありがとうございます。なにか適当な参考図書はありますでしょうか?
できればプログラムのサンプルが載っているようなのがありがたいのですが。
自分でも探してはいるのですが。

>作成なさろうとしているのは
>曲を記述するための尺度ですか?人を記述するための尺度ですか?研究の目
>的とからめてもうすこし詳しくお教え願いますか?

「曲を記述するための尺度」で、これはすでにできています。
研究目的は後述します。

>>まり、刺激(曲)ごとに尺度×個体の因子分析を行い、
>
>「尺度の作成」が目的ですから,これは形容詞などですか?
>また「尺度?」が変数で「個体」がくり返しですか?

その通りです。

>>それを土台にして
>>刺激と個体の次元をのべにして全体の因子分析を行ったわけです。
>
>前の分析結果を具体的にどのように利用したのですか?

主要因子数の決定や、各因子への負荷の高い項目の一致などを
確認するという程度です。

>刺激と個体は「変数」ですか「くり返し」ですか?

ともに繰り返しです。「5曲×個体数」をオブザベーションと
しました。それが「のべにして」の意味です。

>>これはこれでいろいろなご意見があるかと思いますが、問題は、そのあと
>>です。作成した尺度で、様々な曲について(現在90曲)評定をとっている
>>のですが、各尺度の得点の代表値を出すのはいい。
>
>「代表値を出すのはいい」とはどういうことですか?

各個人について下位尺度ごとに項目得点を合計し、全被験者の平均値を
求める、という形にしています。中央値にするか迷ったのですが、
決定的な決め手には欠けています。

>もう少し詳しく処理の過程を説明願えますか?
>
>>しかし、すべての曲で
>>評定者が完全に一致しているわけではないので、それ以上の分析の進め方
>>でつまづいているのです。
>
>ということは欠測値のある3相3元データということですか?
>1人のひとが90曲全部は評定していない場合に
>A)釣り合い型不完備ブロックか
>B)人は曲にネストしているのか
>C)無作為に欠測させているのか
>D)披験者の都合にあわせてなんとなく
>というような状況がおもいうかびますが,どれ(あるいはその他)ですか?

理由は後述しますが、あえていえば D) です。

>多相多元データの共分散や相関の分析は,様々な条件を考慮して心理学的な
>考察を進めていくために,必要不可欠なものだと私は思っておりますので
>谷口先生の記事に対するリプライを興味深く待っていました.しかし今現在
>リプライがないので状況をもうすこしはっきりさせて,コメントしやすいよ
>うに,少し細かく状況の確認をさせていただきました.

前回は、とりあえずどんな使われ方、考え方があるかをお聞きしたかったので、
自分の研究については簡単にしか出しませんでした。もう少し詳しく書くと、
次のようなものです。

まず、感情的な性質が異なるような5曲について、50項目の評定を行ってもら
いました(欠損値なしのデータ=183人分)。このデータを先に書いたように
因子分析し、5因子に負荷の高い24項目を抽出しました。その後、別の被験者
によってこの24項目からなる尺度の信頼性、妥当性などを検討しました。
なお、尺度の作成についての詳細は、
 谷口高士 1995 音楽作品の感情価測定尺度の作成及び多面的感情状態尺度
  との関連の検討, 心理学研究, 65, 463-470.
に出ております。

次に、この尺度を使って、被験者50名に、各回5曲×18回にわたり様々な曲に
対する評定を行ってもらいました。回ごとに異なる欠席者が何人かいるので、
50人すべてが90曲すべてを評定したわけではありません。したがって、欠損値
のでかたには何の一貫性もありません。また、ある曲についてひとつでも回答
忘れがあった場合には、その被験者のその曲に対するデータはすべて欠損値扱
いとしています。
 #音楽聴取の場合、一試行あたりの時間がかかり続けて多くの
  曲をこなすこともできないので、測定日が増えてしまうため、どうしても
  欠損値が増えてしまうのはあきらめています。
このようにして得たデータが90曲分あります(もっと増やしたい)。つまり、
尺度得点(5)×音楽作品(90)×欠損値のある繰り返し被験者(40〜50人)、です。

目的は、音楽作品の感情的な側面に注目して曲を分類し、感情操作、環境操作、
背景音楽などの実験に利用するための音楽材料プールを作ることです。
単語の連想価表のような資料を作りたいわけです。
質問は、この90曲のデータの分析をどうしたらよいか、ということです。
はじめは曲ごとに各尺度の代表値を出すだけでいいと考えていたのですが、
それ以上のことはできないのだろうか、というのが今の悩みです。

こんなところでおわかりいただけたでしょうか?

_/_/_/_/_/ (^o^)/~~ 谷口 高士  [大阪学院短期大学国際文化学科:心理学]
   _/    Office: 564 大阪府吹田市岸辺南 2-37-1  [Phone: 06-381-5434 ]
  _/     e-mail: takashi (at) mbox.kyoto-inet.or.jp  /or/  Nifty: KFC03757

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