[fpr 124] 3mode factor analysis

豊田秀樹

豊田@立教社会です

Takashi TANIGUCHI <takashi (at) mbox.kyoto-inet.or.jp> さんは書きました:
>谷口@大院大です。
>ただ、個人差があるような曲はそれはそれで意味が
>あるので、個人差の大小も含めて、多くの曲の感情面の性質を記述したい
>のです。

そうですね.私だったら,曲ごとではなくて,たとえば「クラッシックは作品
内分散が小さいけれど,現代音楽は作品内分散がすごく大きい」とか「ロックに対
して高校生は作品間分散がおおきいけれど,お年寄りは作品間ばかりでなく作品内
分散も小さい(どの曲を聞いても全員がうるさいというだけ)」のようにジャンル
や世代で分散の特徴を記述すると面白いですよね.

>ちまたで取り上げられる信頼性は、多くが内的整合性と再検査の安定性
>ですよね。

ちまた?で取り上げられる信頼性は,人を記述することが目的であることが多いので
被験者間の分散が大きいことが重要です.内的整合性や再検査信頼性はその意味で
妥当な指標です.

>>とりあえず尺度毎に作品を名義変数とする相関比を確認
>>するのが尺度の信頼性の直感的な印象にもっとも近い考察方法であると思われます
>はじめて伺う方法なので、もう少し教えてください。
> (1)この方法は「信頼性」の検討方法として認められているのでしょうか。

「私だったら,まず相関比を計算するであろう,その結果を論文の1部に記述するだ
ろう」という程度の責任感で上記の文章は書きました.「(世間で?)認められてい
る」かどうかは,別の方にコメントしていただけると,有り難いのですが,,,

> (2)計算方法は、たとえば「高揚尺度」について、曲1と曲2の相関比を
>  求める、というのを繰り返せばいいのでしょうか?

いえ,「高揚尺度」から求められる数値は1つです.簡単に計算する方法として
くり返しの等しくない1元配置の分散分析のソフトを使用できます.
尺度値を特性値,作品を水準として分散分析をし,級間平方和/全平方和
(SASのGLMならR-Squareのところ)を相関比として利用できます.

>上記の本を読んでから、あらためて質問させていただきます。

最近,読者のかたから手紙が多くなりました,,最初のうちは嬉しかったのですが
今は返事を書くのがちょっと辛くなってきました.正直にいうとコースウェア的な
質問はできれば避けてもらいたいな,,などと生意気な感想をもっています.

>やはり共分散構造モデルですか。

実際に使用し,分析することが必須であるとは申しません.
3相のデータは情報量が多いので,どの側面に
注意して分析をしているのか(モデルを構成しているのか)を,明確にする必要が
あり,それさえ明確なら,1,2相の分析手法を組み合わせて多相多元のデータ
のほとんどの重要な情報は取り出せると思います.
大切なのは,そのような視点がもてるということで,
たとえば一般化可能性のモデルが研究者の頭の中の道具箱に入っていると
「ヒトを記述するための信頼性と曲のそれとは違う」という視点をもてるし,
共分散構造モデルが道具箱に入っていると,「曲ごとに信頼性が異なる可能性」
という視点を持つことができます.実際にその手法を使わなくても,,,です.

追伸: fpr121の追伸の内容に自己フォローいたします.コインを12枚というのは
 ちょっと少ないですね.乱数サイ12個の目の和に訂正します.

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Hideki TOYODA Ph.D., Associate Professor,      Department of Sociology
TEL +81-3-3985-2321 FAX +81-3-3985-2833, Rikkyo (St.Paul's) University
toyoda (at) rikkyo.ac.jp  3-34-1 Nishi-Ikebukuro Toshima-ku Tokyo 171 Japan                                  
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