[fpr 158] Effect size

南風原朝和

南風原@東大教育心理です。

>> From: "小久保 秀之 "<NBB03272 (at) niftyserve.or.jp>さん
>> 
>>   初めての発言です。エフェクト・サイズの勉強をするのに、適当なまとまった
>> 文献としては、何があるでしょうか?

効果の大きさ(effect size)は,

 (1) 検定力分析において母集団分布を特徴づけるパラメタとして,または

 (2) 実験や調査の結果を記述する指標として

利用されています。

(1)の利用をお考えなら,堀さんから紹介のあったような検定力分析関係の本が役立ち
ます。一方,(2)の利用をお考えなら,メタ分析(meta-analysis)関係の文献に,効果
の大きさのいろいろな指標と,その統計的性質が載っています。後者の例として

Rosenthal, R. (1991) Meta-analytic procedures for social research (Rev. ed.).
  Sage

などがあります。

日本語では,芝・南風原「行動科学における統計解析法」(東大出版会, 1990)が,第10章
「標本の大きさの決定」では上の(1)の文脈で,また第5章「2群の平均の比較」と第11章
「メタ分析による研究結果の統合」では上の(2)の文脈で,効果の大きさを用いています。
そこでは標準化された平均値差(芝らは「効果量」と呼んでいる)を中心に扱っています。

====================
    南風原朝和  (はえばら ともかず)
     haebara (at) educhan.p.u-tokyo.ac.jp
〒113 文京区本郷7-3-1 東京大学教育学部
TEL: 03-5802-3350     FAX 03-3813-8807
====================



スレッド表示 著者別表示 日付順表示 トップページ

ここは心理学研究の基礎メーリングリストに投稿された過去の記事を掲載しているページです。