鈴木@日経リサーチ です. 南風原さん@東大教育心理 wrote: >>「因子パタンまで変わることは・・・ほとんどない」というのが, >>「変数のクラスタリングはほとんど変わらない」という意味でした >>ら,まさにその安定した部分のみに頼るのが粗点合計方式というこ >>とですよね。 粗点合計方式というのは,検証的因子分析に似ていますね. 私たちが粗点合計を使うときには「尺度構成」という観点がないかも知れま せん. 高橋「ぬるま湯的経営の研究」東洋経済(書名の記憶不確か)が,従業員意 識調査の粗点合計で各種インデックスを作っていますが,その妥当性の根拠と して,第1主成分負荷量の一様性を主張していました.「主成分分析の使い方 にもいろいろあるものだなぁ」と思いました. >>斜交解の場合は,因子得点も粗点合計も互いに相関をもちますから, >>上の問題はありませんが,解釈の容易さに関してはどうでしょうか。 >>因子得点をその推定のための重みから解釈することについては鈴木 >>さんからも問題点が指摘されていますが,因子構造をもとに解釈す >>るのも,少数の変数の粗点合計の解釈に比べれば,難しいように思 >>います。解釈の容易さが解釈の明快さにつながれば,それによって >>解釈の妥当性が向上することが期待できます。 斜交解の解釈は,先生方はどうしているのでしょうか?.因子構造の解釈は とても難しくなりますね.逆に,因子パタンの解釈は(プロマックス回転の場 合),単純構造が強調されるので,とても容易ですね. 斜交解の場合は,「粗点合計に比べて因子構造の解釈は難しい」というよ り,両方とも単純構造を失うという点において,ともに「難しい」ように思い ます.容易なのは因子パタンだけですね.もちろん粗点合計の方に単純構造が 維持されていれば話は別ですが,そういう時は斜交因子の構造も単純になって いるのでは?. 柳井・豊田・前田「原因を探る統計学」では,プロマックス回転の解釈とし て因子パタンしか使っていません.因子パタンだけで解釈していいのだと御墨 付きをもらえれば,私はとても気持ちが楽になるのですが,いまのところ自信 がないので,因子パタンと因子構造の両方をにらんでいます. 鈴木督久(日経リサーチ) KGH00763 (at) niftyserve.or.jp
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