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南風原朝和

南風原@東大教育心理です。

桑原さん@NTT wrote:

>いえ、単に重回帰モデルのF検定の根拠を明確にしたいだけです。
>田中・脇本の第1章 セクション12のp38の回帰のF分布による有意性検定で
>有意確率が
>(1)回帰係数=0が棄却される確率であり
>(2)回帰による不偏分散と回帰からの不偏分散の比のF分布検定で求められ
>(3)回帰係数=0だと回帰による分散も回帰からの分散も独立のカイ2乗分布
>    に従うからである。
>というところから導かれていると思うのですが、この(3)がなぜ成り立つのか
>私が理解できないだけです。多分、かなり基本的な部分で私の知らない所が 
>あり、そのためだと思うのですが・・・・。

回帰分析や分散分析における種々の平方和は2次形式(Quadratic Form)の
一種です。上記の(3)は等分散の正規変数に基づく2次形式に関する以下
の定理から導けます。

Let Q=Q_1+Q_2+・・・+Q_k-1+Q_k, where Q, Q_1,..., Q_k are k+1 random 
variables that are real quadratic forms in n mutually stochastically 
independent random variables which are normally distributed with the 
means \mu_1, \mu_2,..., \mu_n and the same variance \sigma^2.  Let 
Q/\sigma^2, Q_1/\sigma^2,..., Q_k-1/sigma^2 have chi-square distri-
butions with degrees of freedom r, r_1,..., r_k-1, respectively. 
Let Q_k be nonnegative.  Then:
  (a) Q_1,...,Q_k are mutually stochastically independent, and hence
  (b) Q_k/\sigma^2 has a chi-square distribution with r-(r_1+・・・+
   r_k-1)=r_k degrees of freedom.
(Hogg & Craig "Introduction to Mathematical Statistics, 4th ed.
  p.279)

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