[fpr 499] Prediction

南風原朝和

南風原@東大教育心理です。

鈴木さん@日経リサーチが以下のように書いています。

>>  母集団と標本のことですが、我々の選挙調査に統計学者からくる批判は2つ
>> です。(1)母集団は有権者なので、抽出リストに有権者名簿を使うのが理論
>> 的に正しく、電話帳からのサンプリングはいけない。(2)回収率60%はお
>> そまつである(80%回収すべき、せめて70%)。
>>  一見、反論の余地がない。しかしデータ解析をしていて、データが示すこと
>> は違う、というのが私の印象です。我々は10年前から電話調査を始めました。
>> 驚くほどうまく予測できます。予測調査の母集団は「有権者」ではなく「投票
>> 者」だ、というのが私の感想です。そして、電話帳に掲載しない人は投票に行
>> かないのではないか、という仮説はデータから検証可能ではないかと想像して
>> います。また、数億円の調査予算をかけて大マスコミがしつこく回答を求めて
>> なお回答拒否する人も投票に行かない人ではないか、とさえ感じます。

あまり考えたことがなかったのですが,選挙予測では(各候補者の獲得票数
/有効投票数)の予測をするのですから,投票者を母集団と考えるのは自然
だと思います。内閣支持率の推定などとは,そこが基本的に違うんじゃない
でしょうか。そこで,質問ですが,

(1)調査の際には,投票に行くかどうかについては,どのような聞き方を
   するのでしょうか。

大雑把にでも,たとえば「必ず行く」「多分行く」「多分行かない」「行か
ない」のような分類ができれば,それぞれのグループごとの支持率を「投票
に行く確率」のようなもので重みづければ,よい予測ができるような気がす
るのですが,

(2)そのような重みづけは,実際にはなされているのでしょうか。

あと,電話帳への掲載者が,投票行動に関してどのような特徴をもつ集団か
ということを考察されていますが,

(3)そもそも電話帳への掲載率というのは大体どれぐらいなんでしょうか。

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