[fpr 660] 外交に関する世論調査

長谷川芳典

長谷川@岡山大です。
行動遺伝学の議論が盛んですが、残念ながら勉強不足で意見を述べられ
ないので、別の話題をひとつ。

昨日(1997年2月23日)の朝日新聞に、

==============以下、長谷川の要約による===========
総理府が22日付で発表した「外交に関する世論調査」によれば、中国
に親しみを感じる」人は45%に落ち込み、初めて「親しみを感じない」
人を下回った。外務省中国課は、「昨年は核実験や尖閣諸島の領有権問
題に加え、中国が日米安保共同宣言に懸念を示したり、橋本龍太郎首相
の靖国神社参拝に反発したり、日中間がぎくしゃくした年だった」と説
明している。なお、韓国に対しては、「親しみを感じない」人が過去最
高の60%になり、「親しみを感じる」人の36%を大きく引き離した。一
方米国については、「親しみを感じる」人が75%で相変わらず高い。
==============以上、長谷川の要約による===========

というような内容が掲載されていました。
しかし、その記事に添付されていたグラフを見ると、中国に対して「親
しみを感じる」比率は、1992-93年を除き、1985年から1996年に至るまで
ずっと減少傾向にあるように見えます。外務省中国課があげた理由で
は、この長期低落傾向を説明できません。
外務省中国課の「説明」が公式のものなのか、一官僚の単なる感想なの
かはわかりませんけれど、なんだか、頼りない分析のように思えたの
で、ちょっと発言させてもらいました。

長谷川芳典(岡山大学文学部心理学教室) 署名簡易版
http://www.okayama-u.ac.jp/user/le/psycho/member/hase/h0u.html






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