In message <35E1048C.308B (at) simail.ne.jp> "[fpr 1148] Re: 教えて下さい" "Yasuharu Okamoto <c00279 (at) simail.ne.jp>" wrote. 前半略 > しかし、南風原さんが指摘されたのは、確率モデル適用における >問題意識が多変量解析の場合はあまりない、ということなのですが、 >それは、1変量の場合に比べて、そのような問題点の専門家による >ユーザー向けの指摘があまり行われてこなかったということによる >と思います。1変量の場合、特に分散分析の場合、いろいろな >問題点が具体的に指摘されてきました。このような具体的な指摘は、 >多変量の場合、かなりの計算量が要求されるからでしょうか、 >専門家によるユーザー向けの指摘は1変量に比べて見当たりません。 > 今日では大抵の計算がパソコンで簡単に出来るようになりました。 >今後、多変量の場合における問題点のユーザー向けの具体的な指摘が >1変量の場合と同じように行われるようになると思います。 > 専門家による指摘がいろいろとなされるようになれば、ユーザー >の側からの問題提起も盛んになると思います。 多変量解析においても,非正規性の影響は理論的にずいぶん調べられています .ただ,ご指摘のように,理論家の仕事が多く,ユーザーとのコミュニケーシ ョンが十分取られていないのが問題です.共分散構造分析のソフトウェアでは ,周辺分布の歪度・尖度のほか,多変量尖度などが出力されます.共分散構造 分析での非正規分布の扱いは多変量解析の他の分野より進んでいるといってい いでしょう. 小生が関係した仕事に以下の2つがあります. ・狩野(1995.3) 「非正規性と多変量データ解析」第59回 行動計量シンポジウ ム "多変量解析の理論と応用の融合をめぐって"(東京 統計数理研究所 予稿 集 pp.1-15). [DVI file の配布資料が http://koko15.hus.osaka-u.ac.jp/~kano/application/index.html にあります.] ・ Hu, Li-tze, Bentler, P. M. and Kano, Y. (1992). Can test statistics in covariance structure model be trusted? Psychological Bulletin, Vol.112, 351-362. もちろん,これ以外にずっと立派な仕事がたくさん行われています. ====================================================================== Yutaka KANO (Osaka University) Phone&Fax: +81-6-879-8052 kano (at) hus.osaka-u.ac.jp http://koko15.hus.osaka-u.ac.jp/~kano/ Faculty of Human Sciences, Osaka University, Suita, Osaka 565, JAPAN ======================================================================
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