南風原@東大教育心理です。 狩野さんが以下のように書いています: >多変量解析においても,非正規性の影響は理論的にずいぶん調べられています >.ただ,ご指摘のように,理論家の仕事が多く,ユーザーとのコミュニケーシ >ョンが十分取られていないのが問題です.共分散構造分析のソフトウェアでは >,周辺分布の歪度・尖度のほか,多変量尖度などが出力されます.共分散構造 >分析での非正規分布の扱いは多変量解析の他の分野より進んでいるといってい >いでしょう. 「確率モデル」や「母集団分布」というときの私の引っ掛かりの源泉は, データの独立性(統計学で言う i.i.d. [independently and identically distributed])の仮定にあります。i.i.d.でさえあれば,後は確率的な 方法でモデルとデータの突き合わせをしていけばいいのですが,標本調 査の場合,i.i.d.のためには特定の母集団からの単純無作為抽出(多段 抽出だと問題ありますよね)が必要になってきます。その条件が満たさ れない場合の検定等による確率的言明の有意味性がいま議論されている わけですが,このことに関しては多変量解析の理論的研究の中ではどう 扱われているのでしょうか。 --- 南風原朝和 haebara (at) educhan.p.u-tokyo.ac.jp 〒113-0033 東京大学 大学院教育学研究科 TEL:03-5802-3350 FAX:03-3813-8807
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