[fpr 1162] APA の統計への態度

守一雄

守です。

At 5:26 PM 98.8.25, Keizo Hori wrote:
> 堀@香川大学経済学部です。
>
> 守 一雄さん wrote ;
> >
> >堀さんが言うように「変なデータを省け」というような
> >事後的な処理について言っているのではなく、
> >変なデータを取らないよう気を付けた上で
> >「変なデータによるものでないことをちゃんと確認しなさい」
> >と言っているのだと思います。
>
> それでは、変なデータがでたら、その研究そのものを捨てるのですか?
>
はい。捨てましょう。
腐った肉からはおいしい料理はできません。

と私の考えを思わず書いてしまいましたが、
要は、APAのタスクフォースがどう言っているかですよね。
そこで、再びAPAの該当ページへ行ってきました。
問題の(c)の項目は
(1) Approaches to enhance the quality of data usage
and to protect against potential misrepresentation of quantitative results
という4つの大項目の最も重要な第1項目の中の(a)(b)(c)のうちの一つです。
ちなみに(a)と (b) は
(a) we recommend that more extensive descriptions of the data
be provided to reviewers and readers.
(データの再利用や確認が容易なように種々の統計情報を示せ。)
(b) enhanced characterization of the results of analyses
should be provided routinely as part of the presentation.
(結果の分析結果についても種々の統計情報を示せ。)
ですから、(1)の前半部分to enhance the quality of data usageに該当します。
懸案の(c)は
(1)の後半部分to protect against potential misrepresentation
の具体的記述ということになります。
これは「データが事実を誤って表現することにならないよう」気をつけろ
ということですから、数量的データ利用の基本中の基本を述べたものと
考えられます。

そこで、結論は、
「標本抽出の偏り」とか「外れ値」とか「偶発的でない欠損値」とかを
含むデータに気をつけよう
ということだと思います。


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