[fpr 1191] 統計結果と結論

長谷川芳典

長谷川@岡山です。

Keizo Hori <hori (at) ec.kagawa-u.ac.jp>さんは
<199809162213.AA00146 (at) hori.ec.kagawa-u.ac.jp>において
"[fpr 1190] 統計結果と結論" という題名で、
次のように書いておられます。

>堀@香川大学経済学部です。
>
>心理学では血液型性格「学」に反対の方が多いので、統計学ともからんできわめて面白い
>テキストがあります。

>ABO FAN「血液型と性格」のタブーについて
>http://www2.justnet.ne.jp/~shozo_owada/taboo.htm

◆
ご紹介ありがとうございます。上記のサイトに関しては開設者から案内をもらったことが
ありますが、これまでアクセスしたことがありませんでした。
案内メイルを出したのにこちらから返事しないと、それだけで逃げていると思われてしまう
ようです。
「能見さんの調査を誰も追試していない」などという記述もどこかにあったと思いますけれ
ど、追試を求める前に元の調査を正確に報告して貰わなければ.....
などと思ってみたりします。

◆
http://www4.justnet.ne.jp/~hasep/98/04/16.htm

と言うところに、今年の結果を示してありますが、一般教育「心理学」で
アンケートなどとると岡大生で4割、短大や専門学校では6割近くが「血液型は人間の行動
の予測や理解に役立つと思う」と考えているようで、何万人かを対象に調査しても
日本国内では「ラベリング効果」「インプリンティング効果」(いずれも大村先生命名)で
汚染された結果しか出ないのかななどとも思います。

◆
私個人の見解は例のエスプリの特集号ですべて言い尽くしたと思っているのですが
最近のインターネットの普及の中で、地道に啓蒙活動をする必要は感じております。
ただ、血液型性格判断肯定派の中には、狂信的な方もおられて、ネットの掲示板などで
うっかり空中戦など始めると、昼夜を問わず質問を送りつけてきて、ちょっとでも返事を
怠ると「逃げた」とか「質問に答えられない」などと誹謗する人が居ると聞いております。
そういう人々を論破することにエネルギーをそそぐよりも、一般の人向けに、統計解析の
結果の正しい解釈、上記の「ラベリング効果」などの問題、さらに根本的に「性格とは
何か」といった問題を広く説いていくことのほうが生産的であるように思います。

以上、感想を少々。
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長谷川芳典(岡山大学文学部心理学教室) 署名簡易版
http://www.okayama-u.ac.jp/user/le/psycho/member/hase/h0u.html


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