[fpr 1354] カイザー基準

豊田秀樹

豊田@立教大学です

Keizo Hori <hori (at) ec.kagawa-u.ac.jp> さんは書きました:
>堀@香川大学経済学部です。
>固有値1基準はそろそろ終わりにしたほうがいいのでは。

相関行列を主成分分析する場合をのぞいては,賛成です.経験的にも
その他の場合はあまり立たないと感じられます.

累積寄与よる方法は,心理学のように相関があまり高くならない分野では
因子を余分にたくさんとる印象があります.

>まあ、そういう意味において、
>柳井晴夫・繁桝算男・前川眞一・市川雅教 1990 因子分析−その理論と方法− 
>朝倉書店>にでている因子数の決め方にPAが落ちているのは納得できない。
>「因子数の決め方」だけに言及し>てますが、すでにあまりよくないとわかって
>いる因子数の決め方特集になっている。

因子数の決めかたですが,経験的にお勧めできるものに「ワオクライテリオン
(略してワオ)」というのがあります.前前会の千葉大学での行動計量学会
で大学入試センターの石塚さんがSEMの文脈で言及なさったものです(出典は失
念しました.小生は大学院生でした).発表のあと稲毛駅前で南風原さんに「
さっきのワオって何でしょう」とお聞きしたら「たぶん「ワオッ!驚いた!」
のワオでしょう」と応えてもらったのを今でも鮮明におぼえています.

残差行列をながめながら因子数をふやすと,あるとき残差行列の要素の絶対値
が急に小さくなる.観測変数の数が多い場合はそれは顕著で鮮やかで,思わず
「ワオッ!驚いた!」といってしまいます,それがそのデータの因子数です.
残差行列を眺めるのは面倒ですが,経験的にはとてもよく働く基準です.その
後何年かして「ワオ」を省力化したものが,すなわちGFIによる考察なのだ
と気が付いて,それからはもっぱら因子数を決めるのにはGFIを使っていま
す.これだと相関があまり高くならない分野でも因子を余分にたくさんとるこ
とはありません

PS今年はワークショップはもうだめなのでしょうか?わたしは,テーマは何
でもよいので,是非,当MLの論客,堀さんにお願いしたいのですが....

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TOYODA Hideki Ph.D., Associate Professor,     Department of Sociology
TEL +81-3-39852323 FAX +81-3-3985-2833,   Rikkyo(St.Paul's)University
toyoda (at) rikkyo.ac.jp 3-34-1 Nishi-Ikebukuro Toshima-ku Tokyo 171 Japan
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