岡本@金沢大学です。 岸本さん@慶応大のメール[fpr 1544]の確認が 今日になりました。インターネットはかなり混んでいる ようです。2000年対応のためのアップデート用 ダウンロードなどでネットの負荷が過剰になっている個所が あるのでしょうか。 2000年問題は、プログラムについての問題では ありますが、社会システムの問題の側面の方が強くなって 来ているように思います。電気の場合、みんなが2000年 問題を恐れて電気の使用を押さえた場合、原子力発電所の 運転を止めねばならない、そのための停電の可能性が怖い というような記事を読んだ記憶があります。 我国の現状は、2000年問題に適切に対応できるような 社会システムになっていないような気がする今日この頃です。 さて、[fpr 1544]の >我妻さんの質問は非常に重要なことです。 >「どの統計学の教科書を読んでも...」 >という現状では、日本の統計教育に重要な >問題があるといわざるを得ません。 そのような意見が統計教育一般においてあることは 承知しておりますが、しかし、一方、学生に合わせた 授業の工夫がされている話も聞きます。 統計・データ処理用パッケージの普及に努めておられる 立場(Junji Kishimoto <jpnjak (at) jpn.sas.com>)からは 「日本の統計教育」という問題意識になるのだと思い ますが、心理学に限って考えてみると違った見方も 出てきます。 私は、実験心理学に従事している立場からは、 「日本の統計教育」の問題というより、科学としての 心理学が過渡的過程にあるための問題、という側面の方が 大きいのではと思っております。 「心理学の研究方法は如何にあるべきか?」。この 問題に対する解答は分野によってかなり異なるのが 現状ではないかと思っております。 本fprが企画されたのも、そのような研究方法に ついての問題意識が一つのきっかけだったのでは、と 推測しております。 「心理学の研究法」についての考え方を抜きにして 単に「統計学」だけを見るということがあれば危険だと 思います。 金沢大学文学部 岡本 安晴
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