[fpr 1553] 2000年問題

岡本安晴



  岡本@金沢大学です。


  岸本さん@慶応大のメール[fpr 1544]の確認が
今日になりました。インターネットはかなり混んでいる
ようです。2000年対応のためのアップデート用
ダウンロードなどでネットの負荷が過剰になっている個所が
あるのでしょうか。
  2000年問題は、プログラムについての問題では
ありますが、社会システムの問題の側面の方が強くなって
来ているように思います。電気の場合、みんなが2000年
問題を恐れて電気の使用を押さえた場合、原子力発電所の
運転を止めねばならない、そのための停電の可能性が怖い
というような記事を読んだ記憶があります。
  我国の現状は、2000年問題に適切に対応できるような
社会システムになっていないような気がする今日この頃です。

  さて、[fpr 1544]の

>我妻さんの質問は非常に重要なことです。
>「どの統計学の教科書を読んでも...」
>という現状では、日本の統計教育に重要な
>問題があるといわざるを得ません。

  そのような意見が統計教育一般においてあることは
承知しておりますが、しかし、一方、学生に合わせた
授業の工夫がされている話も聞きます。
  統計・データ処理用パッケージの普及に努めておられる
立場(Junji Kishimoto <jpnjak (at) jpn.sas.com>)からは
「日本の統計教育」という問題意識になるのだと思い
ますが、心理学に限って考えてみると違った見方も
出てきます。

  私は、実験心理学に従事している立場からは、
「日本の統計教育」の問題というより、科学としての
心理学が過渡的過程にあるための問題、という側面の方が
大きいのではと思っております。

  「心理学の研究方法は如何にあるべきか?」。この
問題に対する解答は分野によってかなり異なるのが
現状ではないかと思っております。
  本fprが企画されたのも、そのような研究方法に
ついての問題意識が一つのきっかけだったのでは、と
推測しております。

  「心理学の研究法」についての考え方を抜きにして
単に「統計学」だけを見るということがあれば危険だと
思います。


金沢大学文学部
岡本 安晴






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