湯浅秀道@名古屋市立城北病院口腔外科(MXE05064 (at) nifty.ne.jp)です。 どうも、 繁桝さんと岡本さんの議論と、僕の感覚が少しずれているようです。特 に、興味のあるところが繁桝さんと違うようなので、議論への参加は控えたいと思い ますがチョッと説明しておきます。 >> 湯浅さんは無作為割り当てが あればp値も意味があり、比較もできるということをいいたいのでしょうか.その 点では誰も文句を言わない、一致していることだと思います. >> 世の中の統計教科書が無作為抽出をベースに書かれ、初心者はだれも疑問に思ってい ることだと思っています。当然、繁桝さんらのレベルになるとあたりまえの事かも知 りませんが。僕は、この繁桝さんがあたりまえとすることがあたりまえでないと思っ ており、それに興味があるので繁桝さんらの議論に参加は控えるということです。も う一つの興味は、ランダム化割り付けの前後でのインフォームドコンセントと妥当性 に関する問題です。これらの問題に興味のある方の発言もあれば嬉しいのですが・・ ・(別の議論として)。 >> 問題は、それでは、 たまたま知っている幼稚園で3歳児と4歳児とを比べる実験は統計的検証の対象に ならないかどうかです。 >> これに関しては、僕は理解不十分でコメントできません。しかし、臨床医学におけ る、実際の研究できる対象と母集団の違いを記載した論文を 「臨床研究における妥当性の概念 最新医学、53、483-491, 1998, 湯浅秀道、浜島信 之」 としてまとめた事があります。2年前に書いたのですが、今ではちょっと恥ずかしい 文章。著作権の問題がありますので、β版で誤りがあるとの事を承知でしたら、 http://member.nifty.ne.jp/YUASA/paper/98Epi_valid.htm に、アップしております。少し長いですが、読んでいただけると、僕の理解がこの程 度とわかっていただけるのですが、興味のない方は無視してください。 岡本さんの >> 物理学の実験、例えばピサの斜塔での落下実験の 結果は普遍的なものとして理解されております。 >> 岡本さんのお考えに同意しております。ちょっと違うかもしれませんが、遺伝子の動 物実験での有名なドリーちゃんの論文には統計はでてきません(統計学で重要な実験 計画の基本的な考えは必要だったと思いますが、狭義の意味の数理統計学のことで す)。やっぱり、「再現性」と「実験のいろいろなバイアス・誤差の制御」ができる という意味で、心理学・臨床医学と違いだと思っています。 >> もちろん、このことは統計学的問題点に目をつぶる ということではありません。統計学的問題点は問題点として 論じられなければなりませんが、それのみに目を奪われると 実証科学としての心理学の研究法全体が見え難くなるのでは と思います。 >> このような大切な事が、実際の論文になると、P値に目が奪われおろそかになりま す。残念ながら研究の世界は競争でもあり、大切なことを置き去りにする方も見えま す。繁桝さんと岡本さんの議論は、大切な議論だと思いますので、貴重な時間を議論 に使われていることに敬服しております。頑張ってください。 ---☆iModeでメール・アンケート調査推進中。☆----- 研究のためのアンケート調査 http://member.nifty.ne.jp/YUASA/imode.htm Department of Oral and Maxillofacial Surgery, Nagoya City Jyohoku Munincipal Hospital. tel +81-(0)52-991-8121 fax +81-(0)52-916-2038 email: MXE05064 (at) nifty.ne.jp ---by OutlookExpress5.0------------------------
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