[fpr 1576] theoreticalについて

井原零

井原@くらしき作陽大学です.

どうやら,岡本さんのメールのReply-toが岡本さん個人に
設定されているようですね.Reply-toはそのように設定され
ない方がよいと思います.

岡本さんには,再度ということになりますが,下に昨日送付
したメールを添付させていただきます.

引用マークがついてしまった点,ご容赦願います.

>井原@くらしき作陽大学です.
>
>>  岡本@金沢大学です。
>
>はじめまして.井原です.少々岡本さんの話を拡散させる
>方向に作用してしまったようですね.申し訳在りません.
>
>>>井原 零さん
>>>の指摘された物理学と心理学の違い
>>
>>  井原さんの議論[1568]は、調査法の経験に基づいておられる
>>ように思います。
>
>私は,それほど経験が深い訳ではありません.寧ろ駆け出しの
>部類です.数少ない経験と独断的な考えに依るものです.
>
>>  以下の引用は、[1568]からのものです。
>>
>>>臨床的に効果を
>>>もたらすとか,結果をベースに対策を立てたことが効果をもたらすと
>>>かで評価される
>
>なんて断定的な言い方をしていますが,「ではないでしょうか?」とい
>う意識です.断定的な言い方をすると批判してもらえるかなと.
>
>>  調査法の場合、理論的な研究だけではなく、実際の問題に対処する
>>ための情報を得ることが目的であることがあります。量的にはこの
>>方がはるかに多い、と思います。私の勤務先でも、関係委員の人、
>>従ってその分野の専門家ではないが委員会として何らかの提案とその
>>根拠を説明しなければならないという立場の人の調査結果を見る
>>ことがあります(会議等の席で配布されるということです)。 この
>>ような場合の説明では、理論的なもの・解釈が述べられるとしても
>>心理学的に曖昧であっても不思議ではありません。
>
>私は,そこまで実務的にうがった意見を申しているつもりはないので
>すが....調査結果の解釈という場面で,純粋に理論の枠組みだけが問
>題になるとか純粋に心理学的な内容だけが問題になるということは,
>実際の調査ではあり得ないと思います.ただ,結果解釈に対して,心
>理学的な立場,或いは,統計学的な立場で別の見方を提案できる可能
>性はあると思います.ただ,そちらの方が正しい見方であるという事
>にはならない場合もあるんじゃないかなと思うのです.
>
>>  井原さんが物理の方というので、私が理学部の学生として
>>物理学の勉強(専攻は数学でしたが)をしていたときのことを
>>思い出します。
>>  物理学だって、素人からみればいい加減なとこがあります。
>>  まず、質点の運動から始まるわけですが、質点というのは
>>点なので大きさがない。しかし、質量があるので密度は無限大。
>>密度が無限大のものってどんなものなのだろう。
>>  また、大きさがない点をどうして見ることができるのか。
>>  密度無限大で見ることのできないものって、幻想の存在では
>>ないか。
>
>う〜ん.ちょっと誤解がありますね.質点の力学の話をここで
>議論をするつもりはありませんが,物理で質点の「実在」を訴
>えることはありません.物体の運動を出来るだけシンプルに記
>述する上で用いられる概念ですね.数学での「点」が実在しな
>いから「点」は幻想の存在だというのと同じだと思います.
>
>>  もうちょっと現実的なこととして、棒の長さを考えてみます。
>>棒の端は分子が振動しているので理想的には1つの値として
>>確定しない、つまり、理論的に単純な量としては測定不能です。
>
>物理学では,ミクロの現象とマクロの現象を同時に記述する
>ということはいたしません.マクロな物体の長さを測定する
>というとき,当然,測定器の精度というレベルで考えます.
>棒の長さの測定のレベルと分子の振動のレベルでは相当の開
>きがあります.尤も,現在的な問題としてなら,コンピュー
>タのチップの回路という非常に小さなスケールでは,それこ
>そ分子の振動が問題になる状況も出てくるでしょうね.
>
>>  相対性理論の解説書を見ると、長さは基準となる棒を用いて
>>測るように説明されています。しかし、振動を含む棒が相手では
>>正確に測ろうとすると気が変になるのではと思います。
>
>長さは,別に相対性理論を持ち出すまでもなく,基準となる
>ものを用いて測ります.それより,物理学では,まず,どの
>レベルの話かと言うことが決められて議論されます.棒の長
>さを議論するなら,その棒の長さがどういう場面で議論され
>るのかが設定されているはずです.棒の長さの精度がどれだ
>け必要かですね.何の前提もなくとにかく出来るだけ詳しく
>という場合は考えられません.
>
>>心理学ではこのようなとき、確率分布を導入してその分布の
>>パラメータ値(平均値など)を示します。この方が、はるかに
>>現実に対応しています。
>
>これは,物理の場合,測定精度という形になります.測定
>誤差がガウス分布するということになります.
>私が,心理学(そう限定するのも変ですが),調査項目と
>そのスケールという「パラメータ」そのものが,長さとか
>重さ(質量)とかいう物理量とは異質なものであるという
>所を,書いていたつもりなんですが....
>
>>  このように考えると、物理学とは幻想の学問である、
>>ということになってしまいます。これを使ってコンピュータが
>>作られ、ロケットが打ち上げられています。
>
>広い意味では,物理学は「もの」を扱うとはいえ,幻想の学問に
>は違いありません.そういう意味では,心理学も数学も統計学も
>全てそうなってしまいます.
>
>>  物理学は理論的には理想的な理論的存在を基にしてしている
>>ということなのでしょう。
>
>そのような見方も成り立つと思いますが,人間の外部としての
>自然を,道具性を持った二次的な自然として手なずける方向を
>持った学問という点は外せないと思います.それより,理想的
>な理論的存在がどうして出てきたかという点は,一つの解釈と
>して,「単純化」があるんだと思うのですが.質点も棒の測定
>も,理想的な理論的存在という事を基にしているんじゃなく,
>場面に応じた「単純化」が重要な要素になっていると思います.
>
>>  物理学的現象・研究といっても理論ばかりではないですし、
>>それは心理学でも同じだと思います。
>
>なんだか物理を擁護するような話ばかりになってしまいましたが,
>統計が物理学でも心理学でも使われるからといって,同じ枠組みで
>議論しちゃうと踏み誤っちゃうんじゃないかなという考えです.
>
>読み返してみて,ああ,また拡散しちゃうかなぁと....
>でも,再度,投げちゃいます.
>
>追試についての議論も,私にはどうも合点がいかないところが
>あります.私が前に議論した,物理で前提となる「不変性」が
>成立していないからです.
>
>その辺に対するご意見お待ち申しております.

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    倉敷市玉島長尾3515(〒710-0292)

     くらしき作陽大学 食文化学部

               井原 零

E-Mail:ihara (at) ksu.ac.jp
Tel:+81-86-523-0888(2412)
Fax:+81-86-523-0814
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