[fpr 1622] 追試研究

大西弘高

大西弘高@佐賀医科大学総合診療部と申します.

最近,追試研究の必要性や,研究の質についての発言が続いて
おりますが,臨床疫学についての湯浅さんの発言もありました
ので,少しコメントさせていただきます.

医学的には,医学的研究の結果を医療に用いるという目的で,
研究結果をプールして無料で提供する国際プロジェクトが
進行しております.コクラン共同計画と言われるものがそれです.

単に研究結果のみでなく,無作為抽出や無作為割り付けと
いった方法論からも検討されたものであり,方法論に問題が
ある研究結果は採り上げられないということになっています.

医学的研究は,非常に広い領域を含んでおり,目的変数を
生物学的反応に定義したものから,心理学的反応に定義した
ものまであるように思います.ただ,研究の結果が出ることに
よって,世界中の医師の行動(治療選択など)が変わるという
点で,研究の質の吟味が非常に重要になっているということが
臨床疫学の最も大きなポイントです.

ただ,心理学的反応を目的変数とした医学的研究の質は,
みなさんの議論のレベルについていける状況ではないように
感じております.今後とも,色々とこの場で勉強させて
いただきたいと思っております.

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佐賀医科大学総合診療部 大西弘高
oonishih (at) post.saga-med.ac.jp
〒849-8501 佐賀市鍋島5-1-1
Tel 0952-34-3238 Fax 0952-34-2029

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