[fpr 1644] 共分散構造分析のセミナー

豊田秀樹

豊田@早大心理です

すこし長いですので興味の無い方は読み飛ばして下さい.

共分散構造分析のセミナーの準備を,現在,進めています.10年前
と比較すると共分散構造分析は,広く利用されるようになり,各種
入門コース,講習会は充実してきました.ところが「入門」の「そ
の次」に相当する課程を扱うものが現状では無く,それを日ごろか
ら不満に思っていました.今回,SPSSさんからの声かけに乗らせて
もらい,「入門の次」に焦点を当てた講習会を企画しています.
10時間の独演会(年3回)なので,知力ではなく,完全に体力が勝負
になりそうです.ちょっと初演を控えた音楽家のような心境ですが,
減量などして体調を調えています(秋から体重が13キロ減りました).

詳しくは,spssジャパンのホームページ
http://www.spss.co.jp/index.htm
から,関連箇所をたどるか,あるいは直接
http://www.spss.co.jp/training/stokei.htm#kyoubunn
を参照してください.片方だけの受講も歓迎します.

コース名:共分散構造分析−入門編−
日時:第1回 3月 6日,第2回 7月24日,第3回11月27日,10:00-16:00
対象:全くの初心者の方
概要:
パス図による方程式モデルの表現に重点をおいて,数式をまったく
使用せずに,標準的な分析方法を解説します.[入門編]のメインテ
ーマは「箇条書ルール,経験則,FAQ」です.統計モデルとして
高度に発達してしまった共分散構造分析を,道具として,手足のよ
うに自在に操れるようになるための最短の近道は,数少ない箇条書
ルールを覚えてしまうことに尽きます.たとえば,掛算には「順番
を代えても計算結果は変わらない」という箇条書ルールがあります.
このような箇条書きルールは,これから勉強する子供にとっても,
掛け算を十分に理解している大人にとっても重要です.[入門編]で
は,とにかく使えるようになる「箇条書ルール」,結果を利用でき
るようになる「経験則」,だれもが遭遇する「FAQ」を整理して,
分かり易く提供します.
主な内容:
------午前-------------------------
1.共分散構造分析の概観           
 1.1 特筆される性質             
 1.2 広汎な下位モデル           
2.構造方程式モデルの骨組み       
 2.1 変数の種類                 
 2.2 作図の約束                 
 2.3 モデルの特定・識別         
------午後-------------------------
3.共分散構造分析の実行           
 3.1 係数の解釈.               
 3.2 推定法と不適解の回避    
4.デモンストレーション      
5.構造方程式モデルの利用         
 5.1 モデルの評価               
 5.2 モデルの改良        
6.応用上の実践的諸問題           
7.質疑応答                       
-----------------------------------

コース名:共分散構造分析−応用編−
対象:入門編を受講してるか、もしくは同レベルの知識を持つ方
日時:第1回 3月 7日,第2回 7月25日,第3回11月28日,10:00-16:00
概要:
平均構造の解析・多母集団の解析に重点をおいて,数式をほぼ使用
せずに,実践的な分析方法を解説します.[応用編]のメインテーマ
は「共分散構造分析は多変量解析のための簡易高級言語である」で
す.共分散構造分析は,しばしば因子間のパス解析として紹介され
ます.この比喩は理解しやすいのですが,それにしがみついてしま
うと,中級者から上級者へのステップアップを阻害する要因にもな
ります.本セミナーでは「高級言語としての共分散構造分析」とい
う視点を強調し,構造方程式モデリングに対する新しい展望を提供
します.共分散構造分析は,調査データ専用の解析法ではありませ
ん.そのことを,実験データ,時系列データ,多相データ,個人内
データ等の解析事例を豊富に示すことによって,第 2世代の多変量
解析を具体的に解説します.
主な内容:
------午前------------------------------
1.探索的・確認的因子分析              
2.多母集団分析(共分散分析を使って) 
3.平均構造による因子の分散分析    
------午後------------------------------
4.因子の共分散分析                 
5.3相データの解析                    
6.特殊因子と測定誤差の分離            
7.時系列解析                          
8.潜在曲線モデル                      
9.様々な発展的モデルの紹介とまとめ    
 9.1 トービット因子分析       
 9.2 非線形・交互作用モデル     
 9.3 潜在混合分布モデル       
10.質疑応答                            
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TOYODA Hideki Ph.D., Associate Professor,         Department of Psychology
TEL +81-3-5286-3567               School of Lieterature, Waseda University
toyoda (at) mn.waseda.ac.jp    1-24-1 Toyama Shinjyuku-ku, Tokyo 162-8644 Japan
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