岡本@金沢大学文学部です。 >正直に申してこの問題は死活問題です. 状況は異なりますが、ある意味で同じような経験がある者として よく理解できます。 岩男さんのメールを読んだとき、fprにメールを出された意図の 判断が付きませんでした。一応、心理学会の名簿を確認した上、どの 方面の方がレスを付けられるか1日様子を見たのですが、レスは 付きそうもないと判断しました。私は、現在時間の都合が苦しい 状態が続いていますが、今回はちょっと発言させて頂きたい、 また、他の方々の御発言の呼び水になればと思いレスを用意しました。 ちょっと発言させて頂きたいと思った理由は、最近、権威ある 先生方の心理学における統計についての御発言に、統計の主観性を 積極的に御認めになるものが目立つように感じていることです。 主観があるとしても、それはパラダイムというようなある意味で 社会的な客観性に基礎付けられているもので、統計的分析結果を 恣意的に無視するということとは異なるのですが、若い人たちの 中に(中年に近い?)このような類の無視に出くわすこともあり ました。 しかし、岩男さんは >私自身は統計的解釈を軽視するつもりは毛頭ありません. と、軽視するものではないと、その立場を明らかにしておられます。 また、 >統計学的には誤りだが,心理学的には正しい解釈などというもの >もあり得ないと思います. とも書いておられますが、これは私の > 心理学的解釈は実証的証拠に基づくべきものですが、実証 >的証拠の1つとして統計的証拠・解釈がある以上、統計的解 >釈と心理学的解釈の不一致点を解消する理由付けを明示する >必要があります。 に対してのもので、上記の「不一致点の解消」について発言者 としての補足説明が必要であると思いました。 これは、「用いた統計的モデルが心理学的モデルを適切に 表わしていない、2つのモデルの対応がよくない」ことを 説明して下さいということです。一方の都合で他方を無視する ということではありませんので念の為。 柳井先生の議論は統計モデルを重回帰モデルに固定しての もので、岩男さんの議論は心理学的問題の探求の進み具合に 合わせて統計モデルの設定を工夫していくものという感じが します。 時間がないといいながら長いレスになりました。実際、岡本は 雑務で時間の都合がつかなく、今回も自分の考えを整理してから レスをどうするか決めようと思っていたのですが、とりあえず このメールとしました。気になっていること、整理する時間が とれましたらfprに書きたいと思っています。 豊田さんがfprでの御発言を再開された御様子なので、 今後の御発言を楽しみにしております。 fprの発言者、少ないとは思いませんが、今まで発言 なさってた方が長く沈黙なさると寂しく感じます。 金沢大学文学部 岡本安晴
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