[fpr 1698] 統計学的解釈と心理学的解釈

南風原朝和

fprの皆様:

南風原です。

統計学的解釈と心理学的解釈の間のギャップに関連して,「相関」という
統計学的事実と,「手がかりの利用」という心理過程との区別自体は明確
に認識しておく必要があるだろう,ということを前に書きました。

このことと関係することですが,岩男論文では,重回帰分析の独立変数も
従属変数も,20人とかの被験者による評定値の平均がデータとして用い
られています。つまり,集団平均の間の相関関係の分析がなされているわ
けです。ここで気になるのは,集団平均ではなく各個人ごとに重回帰分析
をしたらどういう結果が得られるか,「手がかりの利用」について,個人
間でタイプの違いのようなものが推測されるような結果にはならないか,
もしそうだとしたら,集団平均を用いた分析結果というのは,どういう意
味をもっているのか,ということです。

個人ごとのデータでは尺度値がとびとびであることや,測定誤差のために
はっきりした傾向が見られないかもしれませんが,もし,そういう分析を
やってみたらこうなった,というような知見がありましたら,ぜひうかが
いたいと思います。

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南風原朝和  haebara (at) p.u-tokyo.ac.jp  Tel/Fax:03-5841-3920
東京大学大学院教育学研究科 (〒113-0033 文京区本郷 7-3-1)


  

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