豊田@早大心理です Hiroaki Morita さんは書きました: >神戸大学院生の盛田と申します。 >1.ある一つの潜在変数について、いくつかの観測変数を設定 > するとき、例えば下記のように、既存の評価尺度でいくつ > かの質問の回答得点の合計点を指標とするものと、5段階 > 評定尺度を指標としたものを、一緒にその潜在変数の指標 > としてしまっても良いのでしょうか。手引き書等を見ます > と、両タイプの指標を一緒につかっているのは、あまりな > いような気がするのですが。 > ・潜在変数:ADLに対する意欲 > ・指標: > A:患者の主観的意欲(既存評価表、合計点数) > B:医療職から見た客観的意欲(既存評価表、合計点) > C:家族から見た客観的意欲(独自に作成、5段階尺度) 統計モデルとしては,原則的には一緒にして構いません. 2点気になることは,こういう分散が異なる変数を一緒にすると 数値計算上収束しにくいということが有りますので,仮にデフォルト で収束しないときは,上手に初期値をいれて下さい. それから尺度に依存しない,最尤法(あるいは一般化最小2乗法) を使って下さい. >2.1指標条件のとき、既存の評価尺度の信頼性係数をもとに、 > 誤差分散および観測変数への影響指数を求めて固定するのだ > と思いますが、仮に上記の場合で、AとBの評価尺度の信頼 > 性係数がわかっていたとしたら、AとBの両方ともに誤差分 > 散と観測変数への影響指数を求めて固定しても良いのでしょ > うか。 はい,OKです.. >3.最尤法(AMOS)で安定した収束を得るためのひとつの目 > 安として、推定するパラメータの数が2√nを越えないよう > にすることと考えて良いのでしょうか。 安定した「収束」と母数の数は,直接的には関係ありません. また母数の信頼区間と母数の数も明確な関係は見出せません. 多くして小さくなることも,少なくして小さくなることもあります. >4.内生変数が受けるパスの数が3を越えると、収束が不安定に > なってしまうのでしょうか。 安定した「収束」と内生変数が受けるパスの数も,この場合 直接的な関係はありません. 構造変数から刺さるパスが3以上になると(誤差を含めて3を越えると) パスの解釈は難しくなります.構造変数から刺さるパスが2本までなら, 拙著「共分散構造分析・入門編・第3章・第11章・朝倉書店」 の分類で自動的に解釈できます. -- -------------------------------------------------------------------------- TOYODA Hideki Ph.D., Professor, Department of Psychology TEL +81-3-5286-3567 School of Lieterature, Waseda University toyoda (at) mn.waseda.ac.jp 1-24-1 Toyama Shinjyuku-ku, Tokyo 162-8644 Japan --------------------------------------------------------------------------
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