[fpr 1721] SEMについて

豊田秀樹

豊田@早大心理です

Tomokazu HAEBARA さんは書きました:
>南風原@東大教育心理です。
>TOYODA Hideki さんからの引用:
>> >2.1指標条件のとき、既存の評価尺度の信頼性係数をもとに、
>> >  誤差分散および観測変数への影響指数を求めて固定するのだ
>> >  と思いますが、仮に上記の場合で、AとBの評価尺度の信頼
>> >  性係数がわかっていたとしたら、AとBの両方ともに誤差分
>> >  散と観測変数への影響指数を求めて固定しても良いのでしょ
>> >  うか。
>> はい,OKです..
>ひとつの潜在変数から2つ以上の観測変数への影響指数は,各観測変数
>がそれぞれの真値をどれだけ反映しているかという「信頼性」ではなく,
>それら複数の観測変数が,それらに共通に反映されると仮定される潜在
>変数(共通因子)をどれだけ反映するかの指標になると思います。

この考えを表現すること「も」間違っていません.しかし
固定母数や制約母数を使えるSEMで表現できるのは,「それ
らに共通に反映されると仮定される潜在変数(共通因子)
をどれだけ反映するか」という考え方のモデルだけではあ
りません.それどころか固定母数を算出するときに使用す
る,信頼性係数の種類(アルファが再検査か,それ以外か)
によっても,そのモデルが主張してる内容が変わってきま
す.どれがそのデータにとってのベストかは,実際に,
データと格闘してみないと分かりません.

>とす
>ると,各観測変数の特殊分散(独自分散から測定誤差の分散を引いたも
>の)がゼロでない限り,上の問いへの答えは「OK」とはならないので
>はないでしょうか。

OKとは「数理的にまちがっていません.
他のモデルとの比較の1つに挙げ得る」という意味です.

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 TOYODA Hideki Ph.D.,  Professor,                Department of Psychology
 TEL +81-3-5286-3567             School of Lieterature, Waseda University
 toyoda (at) mn.waseda.ac.jp  1-24-1 Toyama Shinjyuku-ku, Tokyo 162-8644 Japan
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