南風原@東大教育心理です。 TOYODA Hideki さんからの引用: > 豊田@早大心理です > > Tomokazu HAEBARA さんは書きました: > >南風原@東大教育心理です。 > >TOYODA Hideki さんからの引用: > >> >2.1指標条件のとき、既存の評価尺度の信頼性係数をもとに、 > >> > 誤差分散および観測変数への影響指数を求めて固定するのだ > >> > と思いますが、仮に上記の場合で、AとBの評価尺度の信頼 > >> > 性係数がわかっていたとしたら、AとBの両方ともに誤差分 > >> > 散と観測変数への影響指数を求めて固定しても良いのでしょ > >> > うか。 > >> はい,OKです.. > >ひとつの潜在変数から2つ以上の観測変数への影響指数は,各観測変数 > >がそれぞれの真値をどれだけ反映しているかという「信頼性」ではなく, > >それら複数の観測変数が,それらに共通に反映されると仮定される潜在 > >変数(共通因子)をどれだけ反映するかの指標になると思います。 > > この考えを表現すること「も」間違っていません.しかし > 固定母数や制約母数を使えるSEMで表現できるのは,「それ > らに共通に反映されると仮定される潜在変数(共通因子) > をどれだけ反映するか」という考え方のモデルだけではあ > りません.それどころか固定母数を算出するときに使用す > る,信頼性係数の種類(アルファが再検査か,それ以外か) > によっても,そのモデルが主張してる内容が変わってきま > す.どれがそのデータにとってのベストかは,実際に, > データと格闘してみないと分かりません. 確かにモデルの可能性はいろいろあると思いますが,上の問いのような設定だと, 測定内容を抜きに,ともかく信頼性の高い観測変数に引っ張られる形で潜在変数 が“定義”されるという問題が生じると思います。観測変数の信頼性が妥当性と 比例するような値であれば問題ないでしょうが。 ---- 南風原朝和 haebara (at) p.u-tokyo.ac.jp Tel/Fax:03-5841-3920 東京大学大学院教育学研究科 (〒113-0033 文京区本郷 7-3-1)
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