堀@香川大学経済学部です。 Re: [fpr 1718] Re: t検定の使い方について 亀レスです。 >このあたりのことを私なりに考えて書いたのが、「実践 >としての統計学」佐伯,松原編の第4章です。この本の目立つ章は,それなりに批判 >等があるようですが,私の章は何もありません。(ミスの指摘が1件と,血液型に関 >する記述が公平を欠くという指摘はありましたが。) 教育心理学会総会のシンポでやりとりしているメールでも繁桝さんがこだわっておられるよ うなので,積み上げた本の一番下からとりだして読んでみました。 ミスというのは,p165 の5行目のことでしょうね。 >また,この10個の観測値が0.196=1.96/sqrt(10)であったとしよう。 10個→100個 同じく10を100 に変える →0.196=1.96/sqrt(100) 修正としては 0.196 →0.6198064214 のほうが1カ所ですむのでいいのですが。 ここのところでのミスは悩ましいですね。 0.196=1.96/10 だからどうまちがったかは, 下の1万人のところで明らかになる。しか し,普段は分散既知の場合を扱っていないから,分散既知の場合の標本平均の標本分布がす ぐには頭に浮かばない。やっぱり式をだして欲しかった。低レベルなもので。 trimmed mean は「調整平均」という訳語ですか。 Wilcox はなかなかすざましいですね。 Wilcox, R.R. (1996). Statistics for the social sciences. Academic Press. で minitab のプログラムというのかマクロというのかを一杯載せています。 分散分析 被験者間要因で前提を満たさないときの処理法 http://www.ec.kagawa-u.ac.jp/~hori/spss/tokidoki4.html#44 で言及しています。 分散分析は前提を満たさないときの問題でいろいろ進んでいるみたいですね。 教育心理学会総会の多重比較の話しもスライド(教育心理学に対するWeb統計の可能性)で http://www.ec.kagawa-u.ac.jp/~hori/yomimono/yomimono.html ちょっといっておきましたが,familywise にこだわるという公理系の世界とまた別の公理 系の世界がある。別の公理系の世界の人たちは Fisher をよくひきます。 おそらく,従来の分散分析の世界やfamilywise にこだわる考え方というのは,その実験が 世界を代理(表現)しているということから話しが出発しているのではないでしょうか。 そのくせ分散分析そのものがfamilywise の統制でないのが面白いです。 ところで,ベイズ以外のところは実に面白く読めるのですが,ベイズのところではどうも宣 伝くさく思えてしまいます。 柔軟なところはいいのですが,素人はそれがしんどいことになるのでは。0.05に固定した分 散分析の世界というのはそれだけができればいいという免罪符。 ところが,そういう世界でもうるさいことをいいだしてるし,多変量解析も大変。統計学は 米国では当たり前でしょうが,日本では上位5%だけが使える道具になってしまったりし て。 ---- 堀 啓造(香川大学経済学部)e-mail: hori (at) ec.kagawa-u.ac.jp home page http://www.ec.kagawa-u.ac.jp/~hori/ 電話番号 087-832-1894(直通) fax 087-832-1820(事務室) 〒760-8523(これで香川大学経済学部) 香川県高松市幸町2−1 香川大学経済学部
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