[fpr 1777] 統計学は真清水で学習させたい

豊田秀樹

豊田@早大心理です

遅まきながらレスです

守 一雄 さんは書きました:
>守@信州大学です。
> 私は、9月1日に『DOHC月報』
>http://zenkoji.shinshu-u.ac.jp/mori/dohc/dohchp-j.html
>でこの本を「絶対面白い」として取り上げました。
>その後、鈴木さんの書評を知り、ちょっとまずかったかなと思いましたが後の祭り。
>『DOHC月報』から鈴木さんの書評へリンクを張っておきました。
> さて、確かに社会調査の専門家の目からは細かいあらが目立つようですが、
>私はやはり学生には読ませたい本だと思います。


この本は4割正しくて,4割はちと言い過ぎ,2割は誤りという
類の話題作りの本です.批判的読みをして,議論の種にするには
向いています.しかし統計学はただでさえ,学生にとって誤解の
多い教科です.ここに書いてある4割の正しい部分は,鈴木さん
も述べているように,以下のような歴史に耐えた,間違いのない
本で確実に勉強できます.間違いの多い,扇動的な本を読むくら
いなら内容的に揺るぎ無い定本を学生に薦めるべきと思いました.

ダレル・ハフ(1968)『統計でウソをつく法』(講談社ブルーバックス)
吉村(1984)『平均・順位・偏差値』(岩波ジュニア新書)
Rao, C. R. (1993) Statistics and Truth: Putting Chance to Work,
 2nd Edition. World Scientific Pub Co. (藤越・柳井・田栗訳(1993)
 統計学とは何か――偶然を生かす.丸善)

ただしディベート重視の守さんですから,議論の起きる本は学生
には読ませたい本だと思われたのでしょう.その判断は,別の意
味から正しいと思います.

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 TOYODA Hideki Ph.D.,  Professor,                Department of Psychology
 TEL +81-3-5286-3567             School of Lieterature, Waseda University
 toyoda (at) mn.waseda.ac.jp  1-24-1 Toyama Shinjyuku-ku, Tokyo 162-8644 Japan
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