fprの皆様: 南風原@東大教育心理です。 豊田さんが以下のように書いています。 > 初歩の統計の本として大切なこととは「「きゃーるが鳴くんで > 雨ずらよ」のような役に立つ因果関係を発見することが心理学 > でも大切である」と述べることではないでしょうか? 私は, > 1950年代の米国の行動科学の教科書 は全然勉強していませんが,上記の関係は「役に立つ因果関係」で はなく「役に立つ相関関係」と呼びたいです。なぜなら,カエルが 鳴くことが「原因」となって,雨が降るという「結果」を引き起こ すという直接的なメカニズムを考えるのが困難だからです。「因果」 という言葉にどれほどの意味を付与するか,「相関」とか「予測可 能」といった言葉とどう区別するか,という問題かと思いますが, 究極的にはメカニズムの解明を目指すのが心理学の目的だとすると, 上記の関係には「相関」という言葉をあてておきたいです。 ---- 南風原朝和 haebara (at) p.u-tokyo.ac.jp Tel/Fax:03-5841-3920 東京大学大学院教育学研究科 (〒113-0033 文京区本郷 7-3-1)
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