Tomokazu HAEBARA さんは書きました: >fprの皆様: >南風原@東大教育心理です。 >上記の関係は「役に立つ因果関係」で >はなく「役に立つ相関関係」と呼びたいです。なぜなら,カエルが >鳴くことが「原因」となって,雨が降るという「結果」を引き起こ >すという直接的なメカニズムを考えるのが困難だからです。 もちろん「カエルが鳴く」は五感に関する観測指標としてメカニズム に組み込みます.そしてそれを含む全体のシステムを因果関係と呼び ます(もちろんカラクリとしてです.そもそも「気圧」も構成概念と しての暫定的な指標に過ぎません).心理学の意味ある成果は(実験 も調査も)大方(全て?)このようなカラクリに基づく主張です. >「因果」 >という言葉にどれほどの意味を付与するか,「相関」とか「予測可 >能」といった言葉とどう区別するか,という問題かと思いますが, そのとおりですね. >究極的にはメカニズムの解明を目指すのが心理学の目的だとすると, >上記の関係には「相関」という言葉をあてておきたいです。 因果関係は5感を通じて「しか」了解できないない.構成概念の知 覚による観測指標間の相関を疑似相関といったらあらゆる因果関係 の記述は成立たなくなる.言い換えるなら,それを認めないと全て の相関は疑似相関に成ってしまいます.という主張に関してはどう 思いますか.気圧の変化の感覚指標としては,気圧計を見るのと, カエルが鳴き声を聞くことは全く同じです. 気圧計の変化を目で確認することと,雨が降ることの関係を,もし 南風原さんが「相関」と呼ぶなら争点はなくなります.同じ物を違 った呼び方をしているだけです. -- -------------------------------------------------------------------------- TOYODA Hideki Ph.D., Professor, Department of Psychology TEL +81-3-5286-3567 School of Lieterature, Waseda University toyoda (at) mn.waseda.ac.jp 1-24-1 Toyama Shinjyuku-ku, Tokyo 162-8644 Japan --------------------------------------------------------------------------
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