Toshio Yoshida さんは書きました: >基本的には,既に南風原さんが書いてくださったように, >「(予測の)役に立つ相関関係」を「因果関係」と呼ぶか否か >ということがポイントかと思います いえ,そうではありません.もし「気圧が変化した から雨が降った」という表現が気圧計を見るという 行為を暗に含むなら,(もちろん含まざるを得ない ので)「きゃーるが鳴くんで雨ずらよ」と同等であ り前者を因果関係と呼ぶなら後者も呼ばねばならな い,という主張です. >人事担当者と親のどちらの立場でもなく,「有能な人材を育成する >(どうしたら有能な人材を育てられるか?)」という教育実践的な(?) >立場ないし観点も存在し,そのような観点からは,やはり >「知能」や「経済力」といった変数は統制する必要があると思います。 御著書の基本論調である,因果関係を確認するには 観察研究より統制研究すべきという考え方は誤って います. 「知能」100,「経済力」年収800万と統制し て附属とそうでない進路の比較をして差が見出され たら教育実践的な因果関係が確認されたと思います か? 否です.「知能」100,5,「経済力」年収83 0万だったら差が見られるのか?「知能」110, 「経済力」年収780万だったら差が見られるのか ?という問いには答えられません.統制研究は統制 した変数の実験しない水準の値が変化した場合に関 して,厳密には何の知見ももたらしません.統制す る変数は実はたくさんあるから,それらの水準が変 わった場合の影響は統制研究は,厳密には何も応え てくれない. 観察研究は因果関係を確認するには不十分である. 因果に迫るためには第3の変数の影響は実質科学的 に考察しなければならない. 統制研究は因果関係を確認するには不十分である. 因果に迫るためには統制した変数の実験しない水準 の影響は実質科学的に考察しなければならない. 観察研究と統制研究は,イーブンです.どちらが優 れているという問題では在りません. -- -------------------------------------------------------------------------- TOYODA Hideki Ph.D., Professor, Department of Psychology TEL +81-3-5286-3567 School of Lieterature, Waseda University toyoda (at) mn.waseda.ac.jp 1-24-1 Toyama Shinjyuku-ku, Tokyo 162-8644 Japan --------------------------------------------------------------------------
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