南風原です。 豊田さんからの引用: > 「知能」100,「経済力」年収800万と統制し > て附属とそうでない進路の比較をして差が見出され > たら教育実践的な因果関係が確認されたと思います > か? > > 否です.「知能」100,5,「経済力」年収83 > 0万だったら差が見られるのか?「知能」110, > 「経済力」年収780万だったら差が見られるのか > ?という問いには答えられません.統制研究は統制 > した変数の実験しない水準の値が変化した場合に関 > して,厳密には何の知見ももたらしません.統制す > る変数は実はたくさんあるから,それらの水準が変 > わった場合の影響は統制研究は,厳密には何も応え > てくれない. 「変数を統制する」という言葉が,「それらの変数について 特定の値に固定する」という操作に限定されて使われている ようですが,実験研究では,「主眼となる独立変数(要因) の各水準に被験者をランダムに割り付けることによって,そ れ以外の変数の影響を除去する」という形の統制のほうがよ く使われていると思います。この場合,それら多くの変数が 複雑に相関したままの観察研究より,因果関係の推論に関し ては有利な状況が作られると考えてよいのではないですか。 ---- 南風原朝和 haebara (at) p.u-tokyo.ac.jp Tel/Fax:03-5841-3920 東京大学大学院教育学研究科 (〒113-0033 文京区本郷 7-3-1)
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