[fpr 1795] きゃーるが鳴くんで

豊田秀樹

豊田@早大です

Tomokazu HAEBARA さんは書きました:
>この問題で「因果関係」と呼んでもよいと思われるのは,
>(1) 気圧の変化 → 気圧計の針の振れ
>(2) 気圧の変化 → カエルの鳴き
>(3) 気圧の変化 → 降雨
>の3通りではないかと思います((2)のほうはそういう因果関係が
>あるかどうか,私にはよく分かりませんが)。

(疑似相関だという教科書の記述に従ってこの議論では(2)はとりあえず
仮定しましょう)この3つに共通していることは,「気圧の変化」は知
覚から切り離されていることにあります.心理統計としては,注意を要
するこです.

Tomokazu HAEBARA さんは書きました:
>(1) と (2) のそれぞれ結果側の「気圧計の針の振れ」と「カエ
>ルの鳴き」は,「降雨」の予測に役立つ可能性のあるものです
>が,それら自体が原因となって「降雨」が引き起こされるという
>メカニズムは考えにくいので,

(3)は普段は意識されていないけれど実質的には

(4)気圧計の針の振れたから,たぶん気圧が変化してるのだろう,だから降雨

ということです.特に心理学の研究では(3)と(4)は分離不可能です.一方

(5)カエルが騒がしく鳴くから,たぶん気圧が変化してるのだろう,だから降雨

というメカニズムが考えられ,感覚指標以外は(4)と全く同じです.なんら変わ
るところはありません.ならば心理学統計の教科書では(4)(5)を対等に推奨すべ
きです.(1)から(3)のように知覚から切り離されている関係だけを因果関係と呼
ぶのは,気持ちが悪いのですが,命名は本質ではありません.心理統計学の教科書
は(5)のような知見の出し方を,おもしろ可笑しく揶揄して,ネガティブに扱っ
てはいけないということです.

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 TOYODA Hideki Ph.D.,  Professor,                Department of Psychology
 TEL +81-3-5286-3567             School of Lieterature, Waseda University
 toyoda (at) mn.waseda.ac.jp  1-24-1 Toyama Shinjyuku-ku, Tokyo 162-8644 Japan
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