[fpr 1798] きゃーるが鳴くんで

豊田秀樹

豊田@早大です

そろそろ本業にもどりますが,もう少し雑談でお邪魔します.

Y.Hasegawa/ 長谷川芳典 さんは書きました:
>気圧の変化によってカエルが鳴くかどうかは分かりませんが、
>カエルの声を聞いた後に、雨に濡れないような何らかのオペラント行動を発し、
>その結果として、大切なものが失われなくて済んだとします。
>この場合、カエルの声は、そのオペラント行動の弁別刺激になります。

アメリカ中部には,開拓時代にはカバードブリッジ(屋根の付いた橋)が
たくさん在りました.いまでも少し残っていてイリノイ大学のハーニッシュ
教授(教育心理学者)に連れていってもらったことがあります.
何故屋根が付いているのかと尋ねると次のように教えてくれました.
昔は穀物を乾かして馬車で運んだ.市場までは遠い.大平原で市場に付く
前に雨に降られ,水びたしになったら,1年間の苦労が水の泡になる.
雲や動物の動きでそれを察知し,橋に避難するということでした.

>私が重要だと思うのは、「カエルの声→雨」が因果関係か相関関係ということではなく
>カエルの声がどういう条件でどの程度の弁別刺激になるかという点にあると思います。
>少なくとも私にとっては、随伴性概念なしに行動を説明することはできません。

極端ですが,カエルが雷神の子分という考えも,気圧の観測指標という考えも
カラクリに過ぎません.もしかしたら100年たったら理論は変わるかもしれない.
しかし「カエルの声を聞いた」という事実と「雨が降った」という事実は
変わらない.カラクリは思考の経済として導入してもいい.しかし
(広い意味での)行動から切り離した記述を中心に因果関係を論じることは
不毛であると思います.小生の主張は行動分析学(実は不勉強で良く知りませんが)
的なのかもしれません.

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 TOYODA Hideki Ph.D.,  Professor,                Department of Psychology
 TEL +81-3-5286-3567             School of Lieterature, Waseda University
 toyoda (at) mn.waseda.ac.jp  1-24-1 Toyama Shinjyuku-ku, Tokyo 162-8644 Japan
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