南風原です。 TOYODA Hideki さんからの引用: > 極端ですが,カエルが雷神の子分という考えも,気圧の観測指標という考えも > カラクリに過ぎません.もしかしたら100年たったら理論は変わるかもしれない. > しかし「カエルの声を聞いた」という事実と「雨が降った」という事実は > 変わらない.カラクリは思考の経済として導入してもいい. 「カラクリ」=「因果関係モデル」だとして,それを単に「思考の経済」と 考えるか,あるいは「雨を降らせるにはどうしたらよいか」といった実践的 な指針を与える理論と考えるかで,話がだいぶ違ってきますね。 > カエルが騒がしく鳴くから,たぶん気圧が変化してるのだろう,だから降雨 > というメカニズムが考えられ, 私は「降雨のメカニズム」という話だと思っていたのですが,これだと「何かを 手がかりにして降雨を予想する人の心理メカニズム」のようです。 > (1)観察(相関)研究は因果関係を確認するには不十分である. > 因果に迫るためには第3の変数の影響は実質科学的 > に考察しなければならない. > > (2)統制研究は因果関係を確認するには不十分である. > 因果に迫るためには統制した変数の実験しない水準 > の影響は実質科学的に考察しなければならない. > > (3)ランダム割り付けは因果関係を確認するには不十分である. > 因果に迫るためには,実験に参加しなかった被験者 > で成立つかを実質科学的に考察しなければならない. 上記の(3)で述べられている限界・注意は,すべてのタイプの研究にあてはまる のではないですか? ---- 南風原朝和 haebara (at) p.u-tokyo.ac.jp Tel/Fax:03-5841-3920 東京大学大学院教育学研究科 (〒113-0033 文京区本郷 7-3-1)
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