[fpr 1799] きゃーるが鳴くんで

南風原朝和

南風原です。

TOYODA Hideki さんからの引用:

> 極端ですが,カエルが雷神の子分という考えも,気圧の観測指標という考えも
> カラクリに過ぎません.もしかしたら100年たったら理論は変わるかもしれない.
> しかし「カエルの声を聞いた」という事実と「雨が降った」という事実は
> 変わらない.カラクリは思考の経済として導入してもいい.

「カラクリ」=「因果関係モデル」だとして,それを単に「思考の経済」と
考えるか,あるいは「雨を降らせるにはどうしたらよいか」といった実践的
な指針を与える理論と考えるかで,話がだいぶ違ってきますね。


> カエルが騒がしく鳴くから,たぶん気圧が変化してるのだろう,だから降雨
> というメカニズムが考えられ,

私は「降雨のメカニズム」という話だと思っていたのですが,これだと「何かを
手がかりにして降雨を予想する人の心理メカニズム」のようです。


> (1)観察(相関)研究は因果関係を確認するには不十分である.
> 因果に迫るためには第3の変数の影響は実質科学的
> に考察しなければならない.
> 
> (2)統制研究は因果関係を確認するには不十分である.
> 因果に迫るためには統制した変数の実験しない水準
> の影響は実質科学的に考察しなければならない.
> 
> (3)ランダム割り付けは因果関係を確認するには不十分である.
> 因果に迫るためには,実験に参加しなかった被験者
> で成立つかを実質科学的に考察しなければならない.

上記の(3)で述べられている限界・注意は,すべてのタイプの研究にあてはまる
のではないですか? 

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南風原朝和  haebara (at) p.u-tokyo.ac.jp  Tel/Fax:03-5841-3920
東京大学大学院教育学研究科 (〒113-0033 文京区本郷 7-3-1)


  

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