[fpr 1830] ランダム*の前提条件

岡本安晴


 岡本@金沢大学文学部です。

 ランダムサンプリングが有効であるためには条件があります。
例えば、2つの変数が独立で加法的あれば、分析の対象となる
変数以外についてのランダムサンプリングによって分析の
対象外の変数が誤差項にうまく含まれるようにすることが
できます。

 独立でない場合は、次のような問題があります。

  2つの条件A1とA2の差を見るとします。このとき、人には
3タイプB1,B2,B3あって母集団における比率は同じ1/3で
あるとします。条件A1,A2の効果は3タイプB1,B2,B3によって
次のようであるとします。

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     B1    B2    B3

A1    1   10   10

A2   10    1    1

=========================================

 このとき、3タイプB1,B2,B3に関して完全な
ランダムサンプリングを行ったときの各条件での
平均値は次のようになります

==============

A1   7

A2   4

==============

 A1の方がA2より平均値が高いという結果です。しかし、
上のパターンの場合、(A1,A2)と(B1,B2,B3)との交互作用
を捕らえることが重要であると考えられます。ランダム*
による分析結果だけに満足していると、このことを見逃します。


金沢大学文学部
岡本安晴





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