[fpr 1850] マーケティングワークショップ

豊田秀樹

豊田秀樹@早稲田大学です

おかげさまで,日心小講演は盛況の内に終えることができました.資料を130部
用意したのですが,完売?し,準備委員の方が講演中にコピーを作って下さった
そうです.この場を借りて御礼申し上げます.講演の最後に,今後の展望を述べ,
因子分析と分散分析の統合の方向を述べたのですが,以下の日時に東大マーケテ
ィング・ワークショップで発表させて頂きます.間際の投稿で恐縮ですが,明日で
す.日心小講演の続きのテーマですから,小講演の内容も最初の30分ほどでいたし
ます.直接ご来場下さっても,結構ですし,豊田までメイルで連絡を下さっても
(東大構内の場所が分からないとか...)歓迎いたします.WS参加費
は無料です.独演ですが,真柳さんとの共著です.

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       東大マーケティング・ワークショップのお知らせ
  			各位
JIMS「消費者・市場反応の科学的研究部会」(通称:東大
マーケティング・ワークショップ)を下記の要領で行います。 
	日時  	11月21日(火曜日) 午後7時〜9時
	場所  	東京大学経済学部 7階第1共同研究室 
テーマ 『実験データのための因子分析モデル』
講師  豊田秀樹 (早稲田大学文学部)
概要
マーケティングの研究において,しばしば用いられる統計的手法に因子分析
と分散分析がある.因子分析は多くの観測変数の背後に仮想的な少数の構成概念を
仮定して,観測変数の情報を縮約的に記述する.個々の観測変数は,比較的測定精
度が低いことが多く,明確な独立変数を扱うことはない.一方,分散分析や直交表
解析は,単一の観測変数(特性変数)に対する操作可能な独立変数の影響を見積る
ために利用されることが多い.通常,因子分析と分散分析は異なった目的・場面で
利用されてきた.しかし現実には,観測対象の性質に影響を与える操作可能な独立
変数の存在は知られているものの,その影響は複数の構成概念に作用し,その構成
概念は比較的精度の低い多数の観測変数によってしか測定し得ない分析状況もある.

アイスクリームの風味や食感等の製品特性(評価)や嗜好評価は,空気含有率や脂肪
の種類,乳化剤・安定剤・色素の添加の有無など,製造工程及び配合上の要因の影
響を受ける(湯山, 1996).製造工程及び配合上の要因は,一般に,操作可能な独立
変数であり,官能評価による製品特性(評価)や嗜好評価の分散分析や直交表解析が
行われることが多い.ところが官能評価で分析される製品特性(評価)や嗜好評価(
従属変数)は,風味や食感等の心理的仮説構成体(構成概念)であることが少なく
ない.このような製品特性(評価)や嗜好評価は,単一の観測変数でその尺度値を精
度良く測定することは困難であり,測定誤差を考慮した因子分析的扱いを行うこと
が望ましい.しかし従来の因子分析モデルは,操作可能な独立変数の構成概念に対
する影響を記述するには不向きであった.

本研究の目的は,上記の要請に応える分散分析と因子分析の折衷的な平均・共分散
構造モデル(狩野, 1997)を提案し,アイスクリームの製品特性(評価)や嗜好評価の
分析に対する有効性を考察することである.

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 TOYODA Hideki Ph.D.,  Professor,                Department of Psychology
 TEL +81-3-5286-3567             School of Lieterature, Waseda University
 toyoda (at) mn.waseda.ac.jp  1-24-1 Toyama Shinjyuku-ku, Tokyo 162-8644 Japan
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