[fpr 1956] 因子得点の合計点?

岡本安晴


 岡本@日本女子大学です。

 「[fpr 1952] RE: [fpr 1951] Re: 因子得点の合計点?」における
解説を読んで、「尺度水準」の説明を学生に説明している立場から
困ったことであると思いました。

>10変数バリマックス回転で4因子「実用性」
>「先端性」「かっこよさ」「親近密
>着」の因子得点を算出

 各変数のデータがどのようにして得られたものか知りませんが、
仮にカテゴリー判断によって得られたものとします。さらに、
カテゴリー判断は間隔尺度の水準であるとします。さらに、
因子得点の算出法としてどのようなものが用いられたのか
不明ですが、元のデータの線形変換で得られたものであると
します。このとき、因子得点も間隔尺度の水準となります。


>各因子の因子得点を元に1位から100位までランキングし、
>1位に100点-10
>0位に1点を与える(!)

 ランキングは非線形の単調変換なので、間隔尺度である
因子得点をもとにしたランキングは順序尺度の水準になって
しまいます。


>同様に「各ブランドを「好き」と「現在使用中」の
>両方に○をつけた人の比率」でも
>ランキングをつけて得点化する

 比率を順序尺度であると考えたとき、ランキングが非線形単調変換で
あることから、比率の単純なランキングによる得点は順序尺度であると
考えるのがよいと思います。


>4因子と、好み+使用中比率の、計5つの
>「ランキング得点??」の合計点!!?を総
>合ブランド得点とする、

 学生には、定説に従い、順序尺度の和は”無意味”である
と教えています。


 何でもいいからデータの山をほじくり返してヒントが
得られればよいというのも1つの方法と思います。しかし、
その場合は、分析法の理論的根拠を問うことも無意味である
と思います。



日本女子大学心理学科
岡本安晴



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