Keizo Hori 様: 鈴木@日経リサーチです. 内容もブランド調査に似たデータでチェックしてみました(↓) http://www.littera.waseda.ac.jp/faculty/stok/menu06/fstot.html 直交4因子得点の合計は良さそうで,順序尺度化得点の合計は悪そう?. > とりあえずのイメージは,2次元の場合,2つの因子の因子得点のベクトルをx軸, > y軸(とりあえず長さ1)とイメージし,Y=X の第1象限の(長さsqrt(2)の)部分 > が回転前の第1因子(主成分分析だろうか?).3次元でも同様にxyz軸をかん > がえる. > それぞれ無相関だが,合計するとひとつの方向性がはっきりする. > つまり本来斜交モデルが当てはまる場合は,直交回転解の合計点というものがちゃ >んと意味を持ってくる. う〜ん.簡単のために主成分解(標準化変数)だけで自問・・・. (1) 体重と身長の2変数を主成分分析して「体格」と「体形」の2因子を得た.体重 と身長の和得点は,「体格」得点と正確に等しい(相関1).しかし「体格」と それと無相関な「体形」の和得点との相関は1より小さく,たとえば0.7程度 でしかない.この時,無相関な「体格」と「体形」の和という新しい合成変量の 意味は何であると解釈できるか?. (2) 体重+身長=「体格」はこう解釈できる−−.体重と身長はいずれも測定器で測 定した具体的な測度の表現である.一方.「体格」は人がある人を見た時の印象 という抽象的な概念の表現である.「あの人は体格がいいなあ」という認知の表 現は,「身長が何センチで体重が何g」という具体的表現より抽象的だが総合的 であるし,人は身長と体重の両方を同時にその人の属性として知覚する.それが 「体格」は体重と身長の総合指標である,ということの意味と解釈である・・・. もっといってしまうと,第一印象で「体格」を認識し,次に「体形」がどうであ るかを認識するという印象の強さの順序でもある.人はまず大きさを見て,次に 形を見る?. (3) では「体格」と「体形」の無相関な2つの合成変量の和の意味は何だろうか?. 大きさの方向でも,形の方向でもなく,その中間の方向にぼんやりと向けた視線 のことであろうか?.2因子の和得点は何を見ているというのか?. (4) 反復横跳・垂直跳・背筋力・握力・50m・走幅跳−−の6変数を主成分分析し て「体力」と「敏−鈍」という2成分を得た.第1主成分と6変数合計点は正確 に相関1にはならないが,非常に高い相関係数を得るだろう.このとき,直交す る2成分得点の和得点は,やはり総合指標とは0.7程度の相関しかない.この 直交2成分の和という合成変量の意味は何であると解釈できるだろうか・・・?.
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