真柳@女子栄養大学_もうそろそろちゃんと仕事に戻んなきゃ、です。 岡本先生Wrote: > 「現場」と「理論」の間には常に緊張関係があり、それが >必要だと思います。理論の側からは、使われている手法の >理論的根拠を示し、用いられた分析手法を理論的に評価する >ことは必要だと思います。現場からは、役に立つ方法として >開発された手法、しかし、理論的根拠は未だ考えられていない >ものについては、理論的サポートは無いが役に立つんだという >主張がなされるでしょうし、理論家にはその正当化が求められる >ということだと思います。現場で開発された手法の理論化は、 >直ちに既成のものの適用で可能な場合もあるでしょうが、 >時間が掛かると考えるのが妥当だと思います。これだけ有用 >なんだという現場からの圧力が強まれば、理論家の動きも >速くなると思いますが。理論化は、その手法の特性を明らかにし、 >とんでもない誤用を防ぐためにも必要です。 真柳 とんでもない誤用かどうか、というのが、現時点では数字だけからは 判別できないのが問題だと思います。 そもそも1次元性もそこそこ高いため、多因子モデルを想定した場合に、 因子間の関係が斜交しているような選好データやランキング用のデータ の場合には、2次因子分析を解いて総合力を求めるという初心者には ちょっと難しい方法を用いなくてもある程度今回のような便宜法もアリ、 と理論的に正当化されれば、既存ソフトで簡単にできますし、みんなが ご利益を受け、happyです。(あくまで便宜的と踏まえてですが) しかし、実際にはほとんど因子間相関の無いような、そもそも1因子解の 意味付けがあいまいもことしたデータでも、因子得点の和と回転前第一 主成分の相関が高くなることも有り得るわけで、(前に示したデータ1は 選好データでなく、回転前第一因子(第一主成分)の現実的な意味のないものでし た) 因子得点の和にしろ、2次因子にしろ、第一主成分にしろ、無理やり解釈しても まったく意味なし、です。 このあたりだけは、その事例によるのだ、ということを、ハッキリさせて おかないと、データとその結果だけでは判別できず、むやみやたらと 応用されるのはすごく危険ではあります。 このあたり、難しいですね。 何を知りたいかで、解析に用いる方法論はかわるでしょ、という 最初の認識なのでしょうが・・・。 真柳
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