[fpr 1988] ブランドの順位付け

Kunihiro Tada

多田@マインドウエアと申します。

因子得点の合計点 + 発想の転換、興味深く拝読しておりました。
どこで発言しようか、と思いながら、皆様の議論に圧倒されており
ました。

> >とありますが、「ブランドの良さ」も1次元の尺度で順序付けて
> >よいのでしょうか。
>
> 1次元の尺度でも可能ですよ.
>
> つまり,ブランドを商店にたとえて「ブランドパワー=間口×奥行き」
> なのです.

豊田先生のご説明はごもっともだと思います。「1次元の尺度でも可能」
という言い回しはなかなか慎重ですね。つまり、あくまでも「可能である」
ということであって、「それがすべてではない」ということが暗に含意されて
いるわけですよね。

一方、岡本先生のおっしゃりたかったことは「それがすべてではない」という
方に重点が置かれていたのではないかと、私は思います。
つまり、一次元の尺度=ランキングでは、質的な違いが捨象されてしまう
ということですよね。

-自社のブランドが他のどのブランドと競合しているのか?
-今後、自社のブランドをどのような方向に強化していけばよいのか?

というような問いには、ランキングだけでは不十分だと思います。

「日本最大規模のブランド評価調査」(日経BP)は、せっかく10変数?の
データを採取しながら、最終的にランキングしかだされていないとしたら、
もったいないことをしているのではないかと(他人事ながら)心配します。
(まあ「ランキングしかない」ということはないのでしょうが・・・)

とくに2つめの問いに関しては、「差別化」という意味からして、単純に
得点の低い因子が弱点であるという捉えかたをしているのだとすると
問題があるかもしれません。学力の偏差値が、スペシャリティの乏しい
受験秀才を生み出してしまうという問題と同じですね。(実際にレポート
の中身を見ていませんので、杞憂でしたらすみません。)

私の立場から発言させて頂くとしたら、上のような問いのために、
ぜひ自己組織化マップ(SOM)を使って頂きたいと思います。

宣伝となって恐縮ですが、弊社ではSOMのツールを販売しております。
評価版ソフトがありますので、ぜひお試しください。
http://www.mindware-jp.com/

ニューラルネットワークと心理学と親和性からして、SOMは心理学の
ご研究にお役立て頂けるはずです。(現に海外では使われているだろ
うと想像しますが)

失礼しました。

多田薫弘

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マインドウエア
(ユーダプティクス・ジャパン)
代表 多田薫弘
E-mail: tada (at) mindware-jp.com
HomePage: http://www.mindware-jp.com/
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