[fpr 2035] PMA

堀啓造

堀@香川大学経済学部です。

Re: [fpr 2034] Re: PMA

> > 結局.サーストンの知能は再現できないのですか・・・・・・
> 
> そうつっこまれると困るのです。元論文を見ていないのでわからない。
> 
> そういえばとおもって取り出した、
> Carroll,J.B.(1993). Human cognitive abilities: A survey of factor-analytic 
> studies. Cambridge.
> 
> のreferences (p779)のところに、reanalysis の文献のリストがあります。この本
> の登録では52変数となってますが。

このリストにあった、Kaiser,H.F.(1960). Varimax solution for primary mental 
abilities. Psychometrika, 25, 153-158.
にThurstone(1938)とVarimax, Quartimax, Zimmerman の13因子間の相関行列がありま
す。VarimaxとQuartimax との関係はかなり高いですね。

ところで、Thurstone のやり方は13因子解のはずなのに、7因子は安定していて、2
因子は試験的なもの、あとの4因子は誤差としてますね。(Sternberg ed.(1994). 
Encyclopedia of human intelligence. MacMillan 参考)。とすると、今のやり方だ
と、7因子解を抽出して回転する。さらには9因子解を求めて回転する。ということに
なるでしょう。サーストンのオリジナルはまねをさせたくない方法です。

ただ、7因子を回転させたとき、サーストンの解を支持するものであるならそれはいい
のですが。

ところで、サーストンはこの論文では直交解であり、一般因子を認めないためイギリス
派と論争が生じたとのこと。アイゼンク『知能の構造と測定』星和書店 はアイゼンク
の立場から詳しく書いてます。ベンジャミン B.ウオールマン『知能心理学ハンドブッ
ク』第1編 田研出版 5章ではこのあたりのところ決定的な誤訳をしてます。p196の
2.高次因子のところから4行ほどです。p197の4行目も原文とは違う。これはどう
なっているのでしょう。服部さん。

Thurstone(1947)は直交解を捨て、斜交解をとることによって、一般因子を認めること
ができたわけで、ここは服部さんの分担ではなかったのかな? 5章は2人が分担して
いるが。もしかして監訳。

「abandon A for B   AをやめてBをやる」というのは研究社リーダーズ英和辞典、小学
館ランダムハウス英語辞典クラスでないとでていないようです。


Thurstone の知能検査は日本語化しているのでしょうか? 日本人の書いた知能の本で
はあまりサーストンを評価していないように思えるが、読んだ本が偏っていたかな?

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