[fpr 2051] 多母集団同時分析過程で生じる不適解の解釈

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はじめまして。
原田@広島大学大学院生といいます。

現在,構成概念を測定する2次因子モデルについて交差妥当化を図るために,確証的因子分析を行っています。多母集団の同時因子分析を用いていますが,制約過程で生じる係数値の不適解の解釈について悩んでいます。
使用ソフトはAMOS3.6,最尤推定法です。モデルは2次因子モデルで第1因子モデルは3つ,観測項目は10項目,4件法データです。因子構造モデルは,

    ----->F1 ---->3項目
F0 ----->F2 ---->5項目
    ----->F3 ---->2項目

と図式化(F0:第2次因子--->F1-3:第1次因子--->観測項目数)されます。
モデル識別はF0---->F1と,各因子から観測変数への値の1つを1に固定しました。

 さて,多母集団とは2群で,A群が6,800ケース,B群が700ケースです。
 手順は狩野先生の「グラフィカル多変量解析」の多母集団同時分析手順,並びに先行研究にしたがったもので,両群に対して等値制約を,第1次因子負荷から順に第2次因子分散まで課していく方法です。
モデル番号1:等値条件無し
モデル番号2:第1次因子負荷量ラムダを等値制約
モデル番号3:ラムダと第2次因子負荷量ガンマを等値制約
モデル番号4:ラムダとガンマと観測変数に伴う誤差分散を等値制約
モデル番号5:4に加え,第1次因子の残差分散を等値制約
モデル番号6:5に加え,第2次因子分散を等値制約

 不適解とは,モデル番号4において,B群のF3の残差分散が負となり標準化推定値F0---->F3が1.69となることです。
 制約条件が1段階弱いモデル番号3では,B群のそれは0.89でした。また試しに,モデル番号5,6では,それぞれ0.65,0.77と不適解は観察されず,正常に収束します。(なお,A群で不適解は生じません。また,全モデルにおいて代表的な適合度指標は許容水準を満たします。)

過去の議論など参考になせていただきつつ,自分なりに次のような解釈の可能性を考えてみています,

1.モデルとデータの適合は悪く数理的な問題が存在すると判断し,モデル変更に進む。
2.モデル番号3,いわゆる測定不変の水準までは満たすモデルなので,交差妥当性は示唆できる。
3.モデル6の適合が得られるので因子構造は安定しており,良いモデルで何ら問題はない。

が,数理モデルの素人である私はこれ以上先には進めませんでした。
情報が不十分かも知れませんが,考え方もしくは参考資料についてご教示いただければ幸いです。
よろしくお願いいたします。

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  広島大学大学院医学系研究科保健学専攻
  原田 和宏
  E-mail: kazuhiroha (at) mail.goo.ne.jp
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