[fpr 2053] 多母集団同時分析過程で生じる不適解の解釈

豊田秀樹

豊田@早大心理です

原田さんの場合,A群が6,800ケース,B群が700ケース
のようにケースが多いので,簡単・確実な方法が1つあります.

まずモデル番号1:等値条件無しのA群とB群の標準化前
の解をじっくり目視で観察します

実質科学的に同一の解釈を導くほどにA群とB群の解は互
いに似ていますか?
(モデル番号6の代表的な適合度指標がよいのですから,
たぶん実質的に同様の解のはずです)

似ているならモデル番号6を採用して構いません.
比較の途中のモデルに不適解が入ることはたまにあります.
それ自体はモデル番号6を採れるかどうかと関係しません.
論文には不適解のことも書き,モデル番号6を採ってください.

似てないのに,モデル番号6の代表的な適合度指標がよいの
なら,どこかで計算違いをしている可能性があります.
再確認してください.

標本数が多いときに,かつ実験の効果が明らかに観察されているのに
分散分析で有意差がでなかったら,おかしいですよね.計算違いを
疑いますよね.

SEMでも,それと同じです.まず,目で実際に見て,似ているか
どうかの実質科学的な判断をしてください.モデル番号6の適合度
はその常識を客観的に補佐する以上のものではありません.

原田さん自身が実質的に同様と思える解であるか否かの確認が第1です.

健闘を祈ります.では...

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 TOYODA Hideki Ph.D.,  Professor,                Department of Psychology
 TEL +81-3-5286-3567             School of Lieterature, Waseda University
 toyoda (at) mn.waseda.ac.jp  1-24-1 Toyama Shinjyuku-ku, Tokyo 162-8644 Japan
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