[fpr 2056] 多母集団同時分析過程で生じる不適解の解釈

岡本安晴



 岡本@日本女子大学です。

[fpr 2055] より:
>標本数の多いデータを,今,分析なさってる原田さんへのアドバイスですから
>信頼区間が広い場合のことは,敢えて言及しませんでした.
 
一般的には、標本数が多いときは信頼区間が狭くなります。しかし、モデルの構造、
あるいはモデルとデータとの関係によっては最大尤度を与えるパラメタ値が不安定である
(細長い丘陵の上にある)ことがあります。強引な譬えで言うと、回帰モデルにおける
estimableなコントラストの値は確定するが、estimableなコントラストを与える個々の
パラメタ値は決まらないという状況に近いものです。データ数が多い場合でも、
推定値の標準偏差についてのチェックはやっておいた方がよいと思います。
 個々のパラメタの推定値に対してデータ数に見合う信頼区間であることを
確認しておいた方がよいということです。

 原田さんのモデルの場合は、各項目には1つの因子しか関係していないので、
上の推定値が不安定である可能性は低いと思います。ただ、分散が負になった
モデルがあるということなので、データの構造と想定されているモデルとの関係が
気になっています。
 
日本女子大学心理学科
岡本 安晴



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