[fpr 2057] 多母集団同時分析過程で生じる不適解の解釈

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原田和宏@広島大学大学院生です。

多くのご指導をいただき,ありがとうございます。
分析結果の数字の意味が十分に理解できない私にとって,たいへん救われます。
なお,医療・保健学分野の研究活動では,扱う現象が構成概念で
観測変数が順序データであることが少なくはないことから,議論
にありますカテゴリカルデータの因子分析については緊急の宿題
と心しております。

最初に,岡本先生からご確認いただきました,

>誤差分散は互いに独立と仮定されているのではと思います。

については,そのとおり,互いに独立です。また,

>どれが最適なモデルであるか

については,ちなみに適合度は,
モデル番号1:AIC=1827.4, GFI=.958, RMSEA=.052
モデル番号2:AIC=1895.8, GFI=.956, RMSEA=.051
モデル番号3:AIC=1906.8, GFI=.956, RMSEA=.050
モデル番号4:AIC=2404.9, GFI=.948, RMSEA=.054
モデル番号5:AIC=2629.4, GFI=.945, RMSEA=.056
モデル番号6:AIC=2665.2, GFI=.945, RMSEA=.056

です。


さて,
豊田先生よりいただきました。

>まずモデル番号1:等値条件無しのA群とB群の標準化前
>の解をじっくり目視で観察します
>
>実質科学的に同一の解釈を導くほどにA群とB群の解は互
>いに似ていますか?
>(モデル番号6の代表的な適合度指標がよいのですから,
>たぶん実質的に同様の解のはずです)

モデル番号1の第2次因子負荷量は,

A群−6,800ケース: Estimate   S.E.    C.R.   Standardized
 F0 ----->F1         1.000                       0.549
 F0 ----->F2         0.725    0.044  16.342      0.748
 F0 ----->F3         0.850    0.049  17.512      0.772

B群−700ケース:   Estimate   S.E.    C.R.   Standardized
 F0 ----->F1         1.000                       0.555
 F0 ----->F2         1.364    0.244   5.595      0.883
 F0 ----->F3         0.922    0.207   4.448      0.780

です。不適解が生じるF0 ----->F3は似ているのかなという印象ですが,
F0 ----->F2は似ていない気がします。
ということは,構造は両群で似て非なるものと解釈すべきでしょうか?


>標本数が多いときに,かつ実験の効果が明らかに観察されているのに
>分散分析で有意差がでなかったら,おかしいですよね.計算違いを
>疑いますよね.
>
>SEMでも,それと同じです.まず,目で実際に見て,似ているか
>どうかの実質科学的な判断をしてください.モデル番号6の適合度
>はその常識を客観的に補佐する以上のものではありません.

はい。分散分析による例,並びに同時分析の意味についてたいへん
わかりやすくご説明いただきありがとうございました。

ご多用中恐縮ですが,この機会に甘えまして上記推定値の類似性に
関する解釈をご教示いただきたくお願い申し上げます。


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広島大学大学院医学系研究科保健学専攻
原田 和宏
E-mail: kazuhiroha (at) mail.goo.ne.jp
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