豊田です kazuhiroha (at) mail.goo.ne.jp さんは書きました: >原田和宏@広島大学大学院生です。 >については,ちなみに適合度は, >モデル番号1:AIC=1827.4, GFI=.958, RMSEA=.052 >モデル番号2:AIC=1895.8, GFI=.956, RMSEA=.051 >モデル番号3:AIC=1906.8, GFI=.956, RMSEA=.050 >モデル番号4:AIC=2404.9, GFI=.948, RMSEA=.054 >モデル番号5:AIC=2629.4, GFI=.945, RMSEA=.056 >モデル番号6:AIC=2665.2, GFI=.945, RMSEA=.056 >です。 >豊田先生よりいただきました。 >モデル番号1の第2次因子負荷量は, >A群−6,800ケース: Estimate S.E. C.R. Standardized > F0 ----->F1 1.000 0.549 > F0 ----->F2 0.725 0.044 16.342 0.748 > F0 ----->F3 0.850 0.049 17.512 0.772 > >B群−700ケース: Estimate S.E. C.R. Standardized > F0 ----->F1 1.000 0.555 > F0 ----->F2 1.364 0.244 5.595 0.883 > F0 ----->F3 0.922 0.207 4.448 0.780 >です。不適解が生じるF0 ----->F3は似ているのかなという印象ですが, >F0 ----->F2は似ていない気がします。 >ということは,構造は両群で似て非なるものと解釈すべきでしょうか? (あ)たとえば 「A群とB群が,一般群・患者群で,最終的には同一の構成概念 f0,f1,f2,f3の平均や分散の違いに興味があって,その事を利用 して患者群の特徴を浮き彫りにしたい.つまり最終目標は平均 ・共分散構造分析にある.しかしそもそも一般群・患者群で同 じ構成概念(尺度)を仮定できるのか?だからとりあえずモデ ル1から6を計算した」という研究状況なら >モデル番号6:GFI=.945, RMSEA=.056 というところから,モデル番号6を採って,構成概念の平均や分 散の違いをA群とB群間で比較するモデルに進んでよいと思いま す.絶対基準は悪くないのですから,その選択は許容されます. ただし患者群は標本が少ないから,モデル番号6でも解は一般群 に引き寄せられるので,その枠組みでの比較になります. (い)一方たとえば「A群とB群が,一般群・患者群で,f0,f1, f2,f3の意味・相互関係の違いの有無に興味がある.一般群では f0からf1,f3への影響力よりf2への影響力が小さいけれど,患者 群ではその逆になることが,病気の成り立ちを考える上で重要 な解釈を引き出す」ような場合にはモデル番号6をとらずに,あ るいは2から5までの既成のモデルではなく,もっと木目細かく それらの中間のモデルを作って「最適モデルを探す」ことに 精力を使うとよいと思います. つまり患者さんは人数が少ないので,一般群の枠組みで,同じ スケール上で比較したほうが,学術的に得るものが多いか( (あ)の立場),あるいはスケールの違いを丁寧に記述したほ うが学術的に得るものが多いか((い)の立場)で判断が変わ ってきます. 上記の数値例の場合は(あ)(い)どちらの方向でモデル構成を しても許される微妙な状況であるとおもいます. しかし,そもそも(あ)も(い)も,私が勝手に原田さんのデー タの状況を想像したもので,実状とは違う可能性も高いですね. じゃあ,なぜ勝手な想像をしたのかというと,因果モデルは,何 の為に作るのかという文脈に依存する部分が多ということを,言 いたかったからです.もちろん数理的な指標から導かれる大枠か ら外れたことをしては許されないのですが,その範囲で,研究目 的に左右される判断というものも,意外と多いのです.ですから, これ以上は,アドバイスは難しいかなという気もしてきました. -- -------------------------------------------------------------------------- TOYODA Hideki Ph.D., Professor, Department of Psychology TEL +81-3-5286-3567 School of Lieterature, Waseda University toyoda (at) mn.waseda.ac.jp 1-24-1 Toyama Shinjyuku-ku, Tokyo 162-8644 Japan --------------------------------------------------------------------------
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