[fpr 2148] 重回帰分析について

Toruokuyama (at) aol.com

 M. D. Anderson Cancer Centerの奥山です。重回帰分析につい
てご教授いただきたくメールいたします。

 質問は、重回帰分析において、個々の独立変数に対してR^2を求
めることができるかどうか、できるのならどのようにするのか、と
いうものです。

 以前、心理社会系の英字誌に重回帰分析を用いた研究を投稿した
際、以下のような方法で各独立変数に関するR^2を求めるようにレ
ビュアーからコメントが来ました。
 今ここに3つの独立変数x1、x2、x3と1つの従属変数yからなる
重回帰モデルがあるとします。各独立変数と従属変数yとのPearson
の相関係数をr1、r2、r3、重回帰モデルにおける各独立変数の標
準偏回帰係数をs1、s2、s3とするとき、

独立変数x1に関するR^2=r1*s1
独立変数x2に関するR^2=r2*s2
独立変数x3に関するR^2=r3*s3

となります。そしてモデル全体のR^2=r1*s1+r2*s2+r3*s3となり
ます。実際にしてみると、なるほど個々の独立変数のR^2の和が
モデル全体のR^2と一致しました。そこでその時はこの方法を用
いて各独立変数に関するR^2を算出し、そしてその論文は公刊さ
れました。その後も複数の機会でこのようにして個々の独立変
数に対するR^2を計算しましたが、やはりその総和はモデル全体
のR^2と一致し、この方法について疑ったことはありませんでし
た。

 そして今回また別のデータセットを用いて各独立変数に対する
R^2を求めたところ、負の値(-.01など)をとる独立変数がでてし
まったのです。基本的にR^2が負になるはずがないと思っていま
したので、現在の同僚である統計専門家に聞いたところ、そもそ
もそのようにして各独立変数に対するR^2を求める方法は聞いた
ことがないといわれました。また彼もあちこちに聞いてくれたの
ですが、だれも知らないとのことでした。私自身もいざテキスト
などをみるとそれに関する説明を見つけることができず、真偽の
程が分からないのです。

 そこでどなたかこの件について何か御存知でしたらご教授頂け
ませんでしょうか。宜しくお願いします。

 

スレッド表示 著者別表示 日付順表示 トップページ

ここは心理学研究の基礎メーリングリストに投稿された過去の記事を掲載しているページです。