東工大の前川です。 [fpr 2169] から始まった あるベクトルとrという相関を持つベクトル(群)の作成法 という話の続きです。 ベクトル x の分散共分散行列が S の時、 y = A x (1) という変換をすると、y の分散共分散行列は A S A' となります。 これが Sigma になるように A を求める、すなわち A S A' = Sigma (2) となる様な行列 A を求めるという話です。 豊田さんの説明では S や Sigma は母数でしたが、 狩野さんの説明のように標本統計量でもかまいません。 このような A はいろいろありますが。 狩野さんの最初の説明では、対称な平方根行列 S = S^{1/2}S^{1/2} Sigma = Sigma^{1/2}Sigma^{1/2} を用いて A = Sigma^{1/2}S^{-1/2} と定義するということでした。これを使うと (2) 式が A S A' = Sigma^{1/2}S^{-1/2} S S^{-1/2}Sigma^{1/2} となり S^{-1/2} S S^{-1/2} の部分が単位行列になって、結局 A S A' = Sigma^{1/2} Sigma^{1/2} = Sigma となるということです。この場合 T を直交行列として A = Sigma^{1/2} T S^{-1/2} としてもかまいません。このようなベクトルは無限に出来る ということです。 (余談ですが、これを利用して、所与の因子相関を持ち、かつ 単純構造を成す因子の回転方法が出来るはずです。) 2番目の説明は、行列の三角分解を S = VV' Sigma = WW' として、 A = W V^{-1} とするというものです。これだと、 A 行列がやはり下三角行列 になるため、 (1) 式の変換において x の最初の要素が 保存されるという性質があります。 最初の質問のように、何か変数が一つあってそれと特定の 相関を持つ変数を作りたいという場合には、 手持ちの x に何か乱数を加えてそれを新たに x として 上記の方法を使うことになると思います。 -- _/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_//_/_/_/_/_/_/_/_/_/ Shin-ichi Mayekawa 前川眞一 Department of Human System Science, 東京工業大学大学院 Graduate School of Decision Science and Technology, 社会理工学研究科 Tokyo Institute of Technology. +81-3-5734-3242 人間行動システム専攻 _/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_ncc-1701e/_/_/_/
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