岡本@日本女子大学心理学科です。 >言語刺激を用いた実験の分析では,欧米のジャーナルでは以前から >1. 被験者に基づくF値(F1, Fs)と, >2. 刺激項目に基づくF値(F2, Fi) >の両方を算出してANOVAを行うことが一般化しています. > >この手続きの原典は下記と聞いています. >>Clark, H. H. (1973). The language-as-fixed-effect fallacy: A critique > of language statistics in psychological research. Journal of Verbal > Learning and Verbal Behabior, 12, 335-359. 刺激項目をrandom要因とみる分析のことと思います。和書との御指定ですが、 経験上英文の解説書の方が分かり易く説明してあると思います。 Myers,J.L."Fundamentals of experimental design,2nd ed.",1972の pp.198-199に分析に必要なEMSのデザインの決め方が簡潔に書かれて います。検定のときにQuasi-Fを用いる必要が生じたときは、p.309にその 解説があります。 より詳しい説明は Winer,B.J.,Brown,D.R. and Michels,K.M."Statistical principles in experimental design,3rd ed.",1991のpp.369-374にあります。 同書のpp.374-377にはQuasi-Fの説明があります。 2.の刺激項目をrandom要因と扱うとき、1.の被験者要因と 同じように誤差項として分離するためとか、要因の効果の解釈の 一般化のためとか、実験デザインの設計における目的に応じて いろいろあるようで、解釈にはちょっと注意が必要と感じています。 日本女子大学心理学科 岡本安晴
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