[fpr 2209] Fs & Fi for language experiments

堀啓造

堀@香川大学経済学部です。

Re: [fpr 2206]
> 言語刺激を用いた実験の分析では,欧米のジャーナルでは以前から
> 1. 被験者に基づくF値(F1, Fs)と,
> 2. 刺激項目に基づくF値(F2, Fi)
> の両方を算出してANOVAを行うことが一般化しています.

> もし,F2について,和書の解説,ソフトなどの情報をお持ちでしたら,
> 教えてくださいますようお願いいたします.

本については,fprでも話題になった([fpr 26] ANOVA by Prof. 
Komaki, [fpr 139] )のですが,
小牧純爾 『データ分析法要説』ナカニシ出版
1995 p65-
です。

具体例も載っています。これをSPSSで分析するには,glm を使います。と
思っていたら,unianova だ。glm でも同じ処理ができるはずだが,貼り
付けたらunianova であった。(sas でもglmでできるはず)

(1)データは被験者もrandom 要因なので,1オブザベーションに1つの
データになるように入れます。(これが肝)
(2)unianova の中でランダム要因を指定してやる。この例では(被験者,
刺激語)。固定要因が(熟知度,文字の大[きさ])。従属変数が(認知
域)。となってます。
(3)unianova の中でdesign を指定する。

(2),(3)はSPSSのメニューでもできます。
(分析→一般線型モデル→1変量(U)
---------------------------------------
UNIANOVA
  認知閾  BY 熟知度 文字の大 被験者 刺激語
  /RANDOM = 被験者 刺激語
  /METHOD = SSTYPE(3)
  /INTERCEPT = INCLUDE
  /CRITERIA = ALPHA(.05)
  /DESIGN = 熟知度 文字の大 被験者 刺激語*熟知度*文字の大  熟知度*
文字の大 熟知度*被験者
  文字の大*被験者 熟知度*文字の大*被験者 
----------------------------------------
それで出力を比較すると,(熟知度*被験者)(文字の大*被験者)(刺激
語*熟知度*文字の大 )の誤差項にもってくるものがSPSSと小牧(1995)の
では違っている。私はSPSSの既定値でいいのではないかと思いますが,他
の方の意見も聞きたい。

小牧(1995)の誤差項にするには,一度SPSSの結果を出してから,SPSSの一
番下の誤差(つまり残差)が1054.6875,自由度36になっているのを確認し
て,次のようにシンタックスでtestを指定します。

おっと,(刺激語*熟知度*文字の大 )の誤差項は何を使ったのだろう。
50.13/.82=61.13414634
61.なにがしの数値は表にはでてこない。 
--------------------------------------------
UNIANOVA
  認知閾  BY 熟知度 文字の大 被験者 刺激語
  /RANDOM = 被験者 刺激語
  /METHOD = SSTYPE(3)
  /INTERCEPT = INCLUDE
  /CRITERIA = ALPHA(.05)
  /test = 熟知度*被験者  vs 1054.687 df(36)  
  /test = 文字の大*被験者 vs 1054.687 df(36) 
  /DESIGN = 熟知度 文字の大 被験者 刺激語*熟知度*文字の大  熟知度*
文字の大 熟知度*被験者
  文字の大*被験者 熟知度*文字の大*被験者 .
-----------------------------------------------
小牧(1995,p70)は「Kirk(1968,p213)に従い」とある。残念ながら
Kirk(1968)は手元にない。Kirk(1982,1995)を見たが,探し方が悪いのか
そのものはない。

Keppel,G.(1991). Design and analysis; a researcher's handbook 
(3rd ed.). Prentice-Hall.
(p574)にはClark の場合のexpected mean squareとerror term が載って
います。数値例が出ていないのでSPSSと突き合わせていません。

また,
Maxwell,S.E. and Delaney,H.D.(1990) Designing experiments and 
analyzing data: A model comparison perspective. Wadsworth.
p432にランダム要因がある場合の誤差項の取り方を決めるチャートがあり
ますが,SPSSのやり方はこれと対応してます。

SPSSユーザのためにプログラムもつけておきます。
シンタックス窓にペーストして走らせてください。

--------------------------------
data list free/
被験者 文字の大 熟知度 刺激語 認知閾 .
begin data
1	1	1	1	8
1	1	1	2	3
1	1	1	3	3
1	1	1	4	8
1	1	2	1	8
1	1	2	2	8
1	1	2	3	8
1	1	2	4	8
1	2	1	1	18
1	2	1	2	18
1	2	1	3	18
1	2	1	4	23
1	2	2	1	23
1	2	2	2	23
1	2	2	3	23
1	2	2	4	28
2	1	1	1	20
2	1	1	2	20
2	1	1	3	15
2	1	1	4	20
2	1	2	1	25
2	1	2	2	30
2	1	2	3	30
2	1	2	4	60
2	2	1	1	35
2	2	1	2	40
2	2	1	3	50
2	2	1	4	35
2	2	2	1	50
2	2	2	2	55
2	2	2	3	70
2	2	2	4	60
3	1	1	1	23
3	1	1	2	18
3	1	1	3	18
3	1	1	4	23
3	1	2	1	28
3	1	2	2	23
3	1	2	3	23
3	1	2	4	28
3	2	1	1	38
3	2	1	2	43
3	2	1	3	48
3	2	1	4	43
3	2	2	1	58
3	2	2	2	68
3	2	2	3	68
3	2	2	4	68
4	1	1	1	23
4	1	1	2	23
4	1	1	3	18
4	1	1	4	18
4	1	2	1	28
4	1	2	2	23
4	1	2	3	18
4	1	2	4	28
4	2	1	1	48
4	2	1	2	43
4	2	1	3	38
4	2	1	4	43
4	2	2	1	53
4	2	2	2	48
4	2	2	3	53
4	2	2	4	63
end data.

UNIANOVA
  認知閾  BY 熟知度 文字の大 被験者 刺激語
  /RANDOM = 被験者 刺激語
  /METHOD = SSTYPE(3)
  /INTERCEPT = INCLUDE
  /CRITERIA = ALPHA(.05)
  /DESIGN = 熟知度 文字の大 被験者 刺激語*熟知度*文字の大  
  熟知度*文字の大 熟知度*被験者
  文字の大*被験者 熟知度*文字の大*被験者 

UNIANOVA
  認知閾  BY 熟知度 文字の大 被験者 刺激語
  /RANDOM = 被験者 刺激語
  /METHOD = SSTYPE(3)
  /INTERCEPT = INCLUDE
  /CRITERIA = ALPHA(.05)
  /test = 熟知度*被験者  vs 1054.687 df(36)  
  /test = 文字の大*被験者 vs 1054.687 df(36) 
  /DESIGN = 熟知度 文字の大 被験者 刺激語*熟知度*文字の大  
  熟知度*文字の大 熟知度*被験者
  文字の大*被験者 熟知度*文字の大*被験者 .




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