[fpr 2221] 「傾向差」は統計用語?

Y.Hasegawa/

長谷川#(おひさ&ご隠居)@岡大です。

昨日の学部の発表会の中で、学生が
「有意差」→「p<.05」
「傾向差」→「p<.10」
という使い分けをしていました、
「傾向差」という言葉は聞いたことが無いぞと発言したのですが、
あとでネットで調べたところ、

p < 0.1 傾向あり,傾向差
p < 0.05 有意差あり
p < 0.01 明らかな差あり
p < 0.001 著名な差あり

なんていう使い方を勧めている解説文まであるんですね。
(←青木氏のサイト
http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/Hanasi/iron/kuritani1.html
よりの孫引き)

p値の解釈や検定力についての理解不足はさておくとして、
「有意ではないが傾向があった」、「傾向差」ありという形で
結果を報告し、自説に有利な考察を展開することは望ましくないと
思うんですけれど....。

本日のWeb日記(10/3)に書きましたが、

●有意差検定というのは、「差があるかもしれない(効果があるかもしれない、
明らかに違いがあるかもしれない」という対象について、灰色領域の中からほぼ確実にクロと
言える部分を見つけ出す作業である。対象をクロとシロと灰色に区別する作業ではないし、
灰色をクロっぽい灰色と、シロっぽい灰色に分ける作業でも決してない。

というのが私の考えですが、どこか間違っているでしょうか?

_____________________________________________________________
Y.Hasegawa/長谷川芳典
岡山大学文学部心理学教室
http://www.okayama-u.ac.jp/user/le/psycho/member/hase/h0u.html
http://www4.justnet.ne.jp/~hasep/WELCOM.HTM


スレッド表示 著者別表示 日付順表示 トップページ

ここは心理学研究の基礎メーリングリストに投稿された過去の記事を掲載しているページです。