長谷川#(おひさ&ご隠居)@岡大です。 昨日の学部の発表会の中で、学生が 「有意差」→「p<.05」 「傾向差」→「p<.10」 という使い分けをしていました、 「傾向差」という言葉は聞いたことが無いぞと発言したのですが、 あとでネットで調べたところ、 p < 0.1 傾向あり,傾向差 p < 0.05 有意差あり p < 0.01 明らかな差あり p < 0.001 著名な差あり なんていう使い方を勧めている解説文まであるんですね。 (←青木氏のサイト http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/Hanasi/iron/kuritani1.html よりの孫引き) p値の解釈や検定力についての理解不足はさておくとして、 「有意ではないが傾向があった」、「傾向差」ありという形で 結果を報告し、自説に有利な考察を展開することは望ましくないと 思うんですけれど....。 本日のWeb日記(10/3)に書きましたが、 ●有意差検定というのは、「差があるかもしれない(効果があるかもしれない、 明らかに違いがあるかもしれない」という対象について、灰色領域の中からほぼ確実にクロと 言える部分を見つけ出す作業である。対象をクロとシロと灰色に区別する作業ではないし、 灰色をクロっぽい灰色と、シロっぽい灰色に分ける作業でも決してない。 というのが私の考えですが、どこか間違っているでしょうか? _____________________________________________________________ Y.Hasegawa/長谷川芳典 岡山大学文学部心理学教室 http://www.okayama-u.ac.jp/user/le/psycho/member/hase/h0u.html http://www4.justnet.ne.jp/~hasep/WELCOM.HTM
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